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まさかの敗戦→快勝…男子バレー“本当の実力”は? イタリア老舗紙のベテラン記者が熱弁「日本は世界の勢力図を変えた」「驚きは175cmのセッター」
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byFIVB
posted2023/10/04 11:39
ネーションズリーグでのメダル獲得など、世界の評価を高まっている男子バレーボール日本代表
――パリ五輪出場が叶った場合、日本はメダル候補になりうるでしょうか。
選手の顔ぶれだけで考えれば……可能性はある。ただし、五輪のメダルは選手たちの知名度だけで獲れるものではない。出場国の顔ぶれ、グループリーグと決勝トーナメントの組合せや対戦順……さまざまな要因を研究し、必勝の戦略を練り上げてもまったく予想外の結果が起きるのがオリンピックだ。東京五輪でいえばグループリーグが終わったとき、フランスは半分死に体だった。そこから決勝でROCを破って金メダル獲得など誰も予想していなかった。
私の持論としては、五輪で優勝するための最大の鍵は“準々決勝にどういう状態でどの国と対戦するか”だ。もし、仮に準々決勝で日本と対戦することになったら、イタリアとて敗れる可能性は十分にある。それがポーランドやブラジルであっても同様だ。それほど今年のネーションズリーグで日本が見せた強さは衝撃を与えたといっていい。今の日本は一発勝負ならどの国と対戦しても勝つことができる、恐るべき存在へと成長した。
ポーランド、ブラジル、イタリア、フランス……パリ五輪のメダル候補は少なくない。だが、日本も楽しみな大穴候補といえるだろう。
◇ ◇ ◇
パジーニ記者の口調は終始落ち着いていた。世界王者の国のベテラン記者に言わせれば、ことさら騒ぐ必要はないのだ。
「今やイタリアのバレー界で、石川祐希と日本代表の強さを認めない人間はいないからね」