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「ショウヘイの怪我は誰もが見たくない…」ヌートバーとダルビッシュは大谷翔平を想ったが…「投手200人が故障者リスト」過酷な現実
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2023/09/28 17:07
右肘手術を行った大谷翔平。WBCをともに戦ったダルビッシュ、ヌートバーは大谷について何を語った?
「200人ものメジャー投手」が故障者リストという現実
さて。大谷の右肘が異変を起こしたことを受け、以前から感じていたことが再び頭の中を駆け巡るようになった。メジャーの世界で投手としての責任を果たすことが、いかに過酷な労働であるか、ということだ。
9月26日、メジャー全30球団で負傷者リスト入りしている選手は290人に及んだ。最多は19人でエンゼルスとヤンキース。多くのお金を使いながら結果が残せなかったことを表す結果にもなっているが、注目すべき点は、そのうちの約69%にあたる200人が投手で占められていることだ。投手という仕事の過酷さを物語っている。
ダルビッシュもその中のひとりである。右肘に変調(関節の炎症、骨のストレス反応など)をきたし、彼も9月になり今季シャットダウンを迎えた。自身の現状についてはこのように語った。
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「今はノースローの最中なので、肘がどうとかというのはちょっとわからないですけど、変わらず体は動かしているので、体の状態はかなりいいです」
ダルビッシュが語る過酷さ「難しくなってきている」
取材に訪れた日もダッシュを繰り返し、ブルペンでは元ソフトバンクのニック・マルティネスに助言を送るなど表情は明るかった。10月半ばまでノースローを続け、その後の検査結果を待ち、オフの過ごし方が具体的に決まるという。
ダルビッシュと言えば、食事学を含めたトレーニング理論、最新の科学を踏まえた投球理論など、今のメジャーリーグにおいて最先端の知識と技術を持つ投手として知られている。しかし、そのダルビッシュにしても、右肘に異変は起こってしまった。投手の仕事の過酷さについてどう思っているのか。そこを聞いてみた。
「年々レベルも上がってきていますし、投げる球も速くなったり、強くなったり、キレが良くなったりとかするので。やっぱりその分、全体的に求められるレベルが高くなっているので、そういう意味で体調管理するのは、難しくなってきているのかなとは思いますけど」