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「ショウヘイの怪我は誰もが見たくない…」ヌートバーとダルビッシュは大谷翔平を想ったが…「投手200人が故障者リスト」過酷な現実
posted2023/09/28 17:07
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
春のWBCで日本を優勝に導いたダルビッシュ有とラーズ・ヌートバーが9月下旬のサンディエゴで顔を合わせた。話は自然と右肘に2度目のメスを入れた大谷翔平へも及び、ふたりの侍戦士は術後のリハビリを含め温かい言葉を贈った。
「このレベルになってくると、それだけ100%以上の力を出さなきゃいけなくなってきたりしますし、いろんな要因があって怪我が増えると思うので、でも本人も1回(トミー・ジョン手術を)経験していますから、その経験が大きく生きるんじゃないかと思いますけど」(ダルビッシュ)
自身も15年にトミー・ジョン手術を受けたダルビッシュは37歳のベテランらしい落ち着いた口調だった。その一方でヌートバーはいつものように熱くポジティブだった。26歳の米国人でありながら、心はまさに日本人。ハートフルな“たっちゃん節”は健在だった。
ヌートバー「野球界の誰もが見たくないはずだ」
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「残念なことだが、手術を受けるという点では、そうしなければいけなかったということだと思う。そもそも怪我をしたこと自体が不幸だった。見たくなかったよ。野球界の誰もが見たくないはずだ。彼は地球上で最高の選手であり、誰もが彼を見たいと思っている。投げて打って、彼の才能を最大限に発揮する姿をね。でも、もし誰かがより強くなって戻ってくるのならば、それは翔平だろう。だから僕は彼がより強くなって戻ってくると信じている。楽観視しているよ」(ヌートバー)
春のWBCから日本のために腕を振り、レギュラーシーズンではチームのために、ファンのために、休むことなく全力を尽くした。その結果として受けた代償が悲願のポストシーズン進出でなく右肘手術だったことは、あまりにも酷い結末と感じる。