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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平が病院に来るかも?「“患者さん”を待ってます」張り込みのち番記者が聞いた“ヒジ手術先輩”のエール「復活は間違いないだろう」
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byJIJI PRESS
posted2023/09/26 11:05
手術前の大谷翔平と、ネビン監督。エンゼルスの遠征中にも“オオタニ情報”は番記者に逐一入ってくる
数々の疑問が残ったが、この手術が今季終了後にFAになる大谷の契約にも影響を与えることは間違いない。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は声明に不明点が多いとし「大谷と代理人が情報提供を拒否したことで、さらに複雑化している」と断じた。
“手術の先輩”いわく「彼は長く健康でいられるだろう」
《9月20日 レイズ戦:“ハイブリッド手術の先輩”に聞いた経験談》
試合前、レイズのクラブハウスに向かった。21年8月に受けた右肘のハイブリッド手術から今季復活を遂げた先発右腕グラスノーに話を聞くためだ。2メートル3、102キロの巨体は想像以上のド迫力。ただ、物腰は柔らかく穏やかな口調で語り始めた。
「手術後、不快感はあるかもしれないが、1年半以内にそれはなくなるだろう。真新しいじん帯がつくられる感覚が生まれ、その後は良い投球ができるだろう。そうすれば彼は長く健康でいられるだろう」
グラスノーは21年6月に右肘じん帯損傷が判明。8月に人工じん帯を入れてより強化する「インターナル・ブレース」と、自身の腱を移植するじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を同時に行うハイブリッド手術を受けた。今年5月に復帰し、ここまで19試合に投げ9勝6敗、防御率3.53と先発ローテーションの一角として活躍している。
一般的に人工じん帯は自身の腱を移植する手術法より患部の違和感が強いとされる。ただ、グラスノーは「移植した腱は最初は固く締まって結んでいるし、それがハイブリッドの場合、二重。手術するまで右肘痛に長いこと苦しんでいたからそれくらいの張りはなんでもなかった。今は手術から2年。全く問題はなくなっている」と語った。
大谷より1歳年上の93年生まれの30歳。大谷と会話をしたことがないが、同世代で同じ100マイル(約161キロ)超えの速球を武器とする同タイプの先発右腕として意識する存在だ。「彼には本当に良い医師がいて、きっちり運動量も管理されているから大丈夫だ。すぐに“新品”のように元気になるだろう。彼が復活するかどうかなんてノークエスチョンだ。驚異的でアメージングな選手。(復活は)間違いないだろう」と期待を寄せた。
ここ最近初めてショウヘイの質問が出なかった
《9月21日 レイズ戦:少女に監督が「ノー・オオタニ。ソーリー」》
試合前の監督会見後。ネビン監督は「ここ最近で初めて翔平の質問が出なかった」と笑った。