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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「大谷翔平“負傷者リスト入り”球団メールにガソリンスタンドで…」“テレビに映らないショウヘイの手術前後”番記者日記「ネトには打撃の助言」
posted2023/09/26 11:04
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
AP/AFLO
《9月15日 タイガース戦:“大谷ロッカー整理に騒然”の舞台裏》
今季3度目の米国出張初日。午後2時30分。クラブハウスで約1カ月ぶりに見た大谷は以前と何も変わっていなかった。赤い練習用Tシャツ、ハーフパンツ姿。自身のロッカーの椅子に座り、スマートフォンやタブレット端末を触り、忙しなく試合に向けて準備をしていた。数分後にはバットを持って、クラブハウス裏の室内打撃ケージへ。気合がみなぎった表情で、10試合連続で欠場している選手の姿にはとても見えなかった。
だが、スタメン発表は遅れ、発表されたのは通常より1時間ほど遅い、試合開始の2時間30分前。出場の可否を巡り、結論が遅れたことが予想されたが、大谷の名前はなかった。
釈然としない説明にアメリカ人記者が詰め寄る場面も
驚きは試合後だった。
監督会見が終わり、クラブハウスに向かうと、大谷は既にロッカーを整理して球場を後にしていた。バット、グラブ、スパイク、帽子など野球道具一式がなくなり、荷物がぱんぱんに詰められた今夏の球宴仕様のロゴ入りボストンバッグが置かれていたのみ。
練習用Tシャツ約10枚、ユニホームの下、赤い5本指靴下、サンダル、ボール一つは残されていたが、自身が契約するニューバランスの大量の靴箱、サッカー元日本代表の吉田麻也のロサンゼルス・ギャラクシーのユニホームなど大谷個人の私物とみられるものは全て片付けられていた。
当初、エ軍広報は「分からない」と詳細を伏せた。その後も釈然としない説明が続き、スポーツサイト「ジ・アスレチック」のサム・ブラム記者が「大谷は野球界だけでなく、スポーツ界のスーパースターなんだぞ」と詰め寄る場面もあった。
その後、広報はクラブハウス裏でペリー・ミナシアンGMら上層部と話し合いの場を持ち「状況は変わらない。16日(日本時間17日)に何らかの発表を行う予定」と説明するのがやっと。大谷が本塁打を打った際に兜を被せる役目でお馴染みの外野手のフィリップスも「彼はどこに行った? 僕は分からない」と困惑気味だった。