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「大谷翔平“負傷者リスト入り”球団メールにガソリンスタンドで…」“テレビに映らないショウヘイの手術前後”番記者日記「ネトには打撃の助言」 

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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posted2023/09/26 11:04

「大谷翔平“負傷者リスト入り”球団メールにガソリンスタンドで…」“テレビに映らないショウヘイの手術前後”番記者日記「ネトには打撃の助言」<Number Web> photograph by AP/AFLO

9月17日、ベンチ入りした際の大谷翔平

 大谷は3日(同4日)アスレチックス戦に打者出場して以降、試合に出場しておらず、これで11試合連続の欠場。試合は2−11で敗れて3連敗。“逆マジック”を示すエリミネーションナンバーが「0」となり、地区優勝の可能性が完全に消滅した。

 チームの勝利に誰よりも飢えている大谷らしい決断のタイミングとも言えたが、突然の“別れ”に日米約20人の報道陣は騒然となった。

球団からのメールを受け、ガソリンスタンドで…

《9月16日 タイガース戦:LAで“張り込み”開始》

 紙面3ページの原稿を任された前夜の執筆は深夜にまで及び、一段落がついた時に時計の針は午前4時を回っていた。ただ、このままナイターゲームの取材に備えて眠りにつくわけにはいかなかった。

 24年の打者での開幕、25年の二刀流復帰を目指して、右肘の手術は早ければ早いに越したことはない。18年の1度目の右肘手術はシーズン終了翌日だったことも頭に残っていた。アナハイムから約40分かけてレンタカーを飛ばし、ロサンゼルス市内の「カーラン・ジョーブ・クリニック」に到着。寝ずに午前7時から病院近くで“張り込み”が始まった。

 定期的に場所を変えながら、ひたすら待ち続けた。

 複数ある病院の入り口に視線を送ること約4時間。残念ながら、大谷の姿を確認することはできなかった。だが、再びアナハイムへと車を走らせた道中で、球団からメールが届いた。内容は「大谷が右脇腹痛で負傷者リスト入り」という発表。すぐに高速道路を降りて、ガソリンスタンドの駐車場で速報記事を配信。球場に到着したのはミナシアンGMの会見開始30分前だった。

ベンチに姿を現した大谷は三冠王カブレラに…

 日米計50人以上の報道陣が集まった会見場は、無数のフラッシュに包まれた。ミナシアンGMは、大谷が前日に右脇腹のMRI検査を受けたことを明かしたうえで「(前日15日の)試合の初回あたりで結果が出てから、彼は荷物をまとめ始めた。近日中に右肘じん帯の手術を受けるだろう。手術方法など詳細は分からない」と説明した。

 さらに「彼は早めに手術を受けて24年に準備したいと考えている。それが彼の考え方。彼は特別な男、特別な選手。(GMに就任後)この3年間、彼に出会えて光栄だった。彼ができるだけ長くここにいることを願っている」と率直な思いを口にした。

 この日、大谷は試合中にベンチに姿を現した。

【次ページ】 大谷がネトに身振り手振りで打撃の助言を

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