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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平とエンゼルスの関係は健全なのか? 記者が目にしたクラブハウスでの“ある事件”「いきなりロッカーが空に」「釈然としない説明」
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph byGetty Images
posted2023/09/23 17:03
現地時間9月16日、残りシーズンの全休が発表された大谷翔平。その前日にはロッカーが整理されており、球団が説明に窮する一幕があった
その姿勢に追随するミナシアンGMは「なるべく早く治療行為をする。彼の視線は既に来季に向いている」と言ったものの、どんな手術、治療行為になるかと問われれば、「詳しくは分からない」。
契約期間での手術の費用はエンゼルスが負担する。詳細を本当に知らないとなれば、問題だ。
手術の内容などは全く明かさない反面、大谷への思いはいつもと変わらなかった。
「我々は彼を愛している。彼はここで史上最高の3年間を過ごした。彼がずっとここにいることを希望している」
「彼と我々は常にコミュニケーションをとり、多大な信頼がある」
その言葉に疑問符がつく出来事は、その前日にあった。
「大谷のロッカーが空に…」クラブハウス事件
9月15日のタイガース戦。大谷は右脇腹を痛めた4日から11試合連続欠場となった。
その試合前、囲み取材に応じたネビン監督は「まだ、ラインアップは決めていない」と含みを持たせたが、試合を通して、「ショウヘイ・オオタニ」の名前がコールされることはなかった。
そして、試合後、大谷の「今季終了」のメッセージは唐突に訪れた。
メディアにクラブハウスが解放された時、大谷のロッカーの私物がなくなっていたのだ。
試合前に山積みされていた靴箱、グラブ、バット、打撃用革手袋などが全て消えている。残っていたのは複数枚のTシャツやウインドブレーカーのみだった。
事態を飲み込めていなかったのか、広報は戸惑いを見せた。どうしたのかと聞かれると、担当者は「分からない」と答えるばかりだった。
そこから、メディアと広報の「攻防」が始まった。
メディア側はミナシアンGMの説明を求めたが、広報は「連絡がつかない、明日『何か』を発表する」の一点張り。
米記者の一人は「野球界で最高のスーパースターのことなのに、明日なんておかしい」と主張したが、事態は変わらなかった。結局、30分ほどのやり取りは虚しく終わった。