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「今から私は飛び立ちます」北口榛花が日本人初ダイヤモンドリーグ年間王者に!「いつもステキな笑顔ですね」米国記者の問いに何と答えた?
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byTsutomu Kishimoto/PICSPORT
posted2023/09/22 11:04
ダイヤモンドーリーグ「ファイナル」で日本人初の優勝を遂げたやり投げの北口榛花
「フィールド競技はメンタル面の強さが重要になる。稀にライバル選手に苛立ちをぶつける選手もいるけれど、ハルカはコーチと確固たる関係があるので自己完結するタイプ。私とハルカは競技に対する姿勢がとても似ていたので気が合ったのだと思う」
今大会でもウィンガーの姿を見ると、北口はすぐに駆け寄ってハグをしていた。
「ハルカが欧州遠征を始めたのは2019年のシーズンからだったかな。物おじせずにニコニコと皆に話しかけていた。ヨーロッパのいわゆる投てき王国の選手たちは、言葉の問題もあって、仲良くなるのに時間がかかるけれど、ハルカはそういう選手とも上手にコミュニケーションを取っていた。皆を笑顔にするパワーを持っていると思う。明るさ、前向きさはこの競技をしていく上でとても大切」
「いつもステキな笑顔ですね」米国記者の問いに…
北口がいつも笑顔なのには理由がある。
「いつもステキな笑顔ですね」
笑顔で取材に応じる北口に米国人記者が問いかけると、北口はこう応じた。
「母から『どんな時も笑顔を心がけて』と教わったので」
北口も悔しい時には涙を見せることも当然ある。スポーツの世界では勝つこともあれば負けることもあるけれど、でも、笑顔を心がけて、という母の教えを北口は守っている。
「今季は自己ベストも更新できていい年になったと思う。オリンピックイヤーは他の選手もまた一段上げてくるので、自分もそれについていけるようにしたいし、次はアジア記録(67m 98)を目標にしたい」
来季も皆を魅了する投てき、そして笑顔を見せてほしい。