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「カマダがラツィオで最も危険」ユーベ戦初アシストも“鎌田大地CL先発落ち危機”のナゼ「不振でピリピリ箝口令」「定位置争いライバルが…」
posted2023/09/19 17:26
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
開幕1カ月でラツィオとMF鎌田大地が試練に晒されている。9月16日のセリエA第4節で強敵ユベントスに1-3で敗れ、早くもリーグ戦3敗目。いわゆる“負けが混んでピリピリ状態”だ。
怒り心頭のマウリツィオ・サッリ監督以下、チーム全員には箝口令が敷かれた。19日のチャンピオンズリーグ開幕戦を前に、ラツィオは立ち直れるか。
中継で「ラツィオで最も危険なプレーヤーは鎌田」
敵地トリノに乗り込んだラツィオのプレー内容自体は決して悪くなかった。
開幕以降4戦連続で先発した鎌田と周囲の連係がこなれてきている。日本代表での疲労をものともせず、前半から3トップとともにペナルティエリアへ飛び込んだ。
25分にはゴール正面で強烈な左足ボレーを放ち、鎌田は中盤から左前方のFWザッカーニへとセンチ単位の精度で縦パスを通した。
前節ナポリ戦でも顕著だったが、右サイド後方には攻撃型DFラッザリより守備に手堅いDFマルシッチを置く方がチーム全体が安定する。ユーベ新主将DFダニーロをぶっ飛ばした鎌田へスタジアム中が「カードを出せ!」と指笛とブーイングの雨を降らせようが、ビアンコチェレステ(※白空色=ラツィオの愛称)の背番号6はどこ吹く風だ。ふてぶてしさが頼もしい。
試合中継は「ラツィオで最も危険なプレーヤーは鎌田」と伝えていたほどである。
だが、ユベントスの試合巧者ぶりと疑惑の判定がラツィオを窮地に追い込んだ。
10分のユーベFWブラホビッチによる先制点の起点は、ラツィオ主将FWインモービレが自陣で倒された場面だ。サッリ親分はその時点で判定に文句をつけたが、マレスカ主審はノーファウルと見なし、ユーベはそつなく右サイドからつないで先制点を決めた。
その際、MFマッケニーの拾ったボールが右のタッチラインを割っていたように見えたことで「出たor出てない」論争が勃発。審判団に対するサッリ親分とラツィアーレたちの不信感と怒りは沸騰した。
鎌田の初アシスト直後、士気をへし折る試合巧者ユーベ
26分にFWキエーザから追加点を奪われたが、ラツィオは攻める姿勢を崩さなかった。覇気なく敗れた開幕2戦とは違い、中盤が前へ猛然とプッシュする。