「アウトサイドのメンバーで、いつも話すんです。『誰がスタートで出た、途中で誰に代わった、この人が活躍した。（そういう）個人がいい悪いじゃなくて、誰が出て活躍しても全部OK。日本が勝てばそれでいい』って。試合中も、気づいたことはお互い伝え合って、会話も増えたし、常に“助け合い”っていう気持ちがある。

　真佑も薩摩川内合宿の時はすごく悩んでいて、実際打ち方も窮屈そうだったんです。でもこういうトスに対してどうすればいいか、身体の使い方がどうなっているか。サイド同士でいろんな話をしていくうちに、何がうまくいっていないかつかんで、今は（調子が）いい時の真佑の打ち方になってきた。だから何も心配していないです」

古賀、井上と言葉をかわす石川　©︎Yuki Suenaga

　今は我慢の時ではなく、準備の時。そして求めるのは自分の活躍ばかりでなく、日本代表として勝利し、五輪の出場権をつかみ取ること。

「悔しいって思うことはあるし、もちろん試合にも出たいけど、今やるべきことをする。だからもやもやはないです。1日1日、1戦1戦、また次！まだ5戦もある！ですね」

　ネーションズリーグで銅メダルを獲得した男子バレー日本代表が、強さの秘密を問われるたび「誰が出ても強いチームになった」と答えるのを何度も聞いた。ならば女子も、胸を張り、言えばいい。

　誰が出ても強いんです。だから、それぞれの役割を果たすだけです。

　落ち込む理由はない。勝利のために、まい進するだけだ。