熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「イトウは時としてメッシ」日本通ブラジル人記者に話を聞いたら大興奮「全く臆することなく…」ドイツ惨敗は「怨念の祟りだ」皮肉報道も
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/09/12 11:02
伊東純也は先制ゴールを導き出すなどドイツ戦で大活躍。日本通のブラジル人記者も絶賛だ
「我々は、W杯で優勝したことがある国とそうでない国の間には厳然たる差があると考えている。日本がW杯を4度も制覇しているドイツに対戦成績で勝ち越したのは、画期的なことだ」
攻撃力は10カ月で格段に進歩した。非常に驚いた
――日本は、W杯優勝経験国との対戦で、ドイツ以外にもウルグアイに2勝、アルゼンチン、フランス、スペインに1勝をあげています。ただし、ブラジルには2分11敗、イタリアとイングランドにはいずれも1分2敗で未勝利です。なぜだと思いますか?
「これまで、日本は多くのブラジル人選手や指導者からフットボールを学んできた。そのせいで、リスペクトし過ぎているんじゃないかな。ドイツからもフットボールを学んだが、そのドイツには今や勝ち越している。セレソンに対しても、カナリア・イエローのユニフォームへの恐怖心を捨てて実力を発揮しさえすれば、いつ勝ってもおかしくないイタリアとイングランドに対しても、過剰にリスペクトをするのをやめたら同様だろう」
――日本のプレー内容については?
「強豪国に対してもしっかり守れることは、昨年のW杯で証明済み。この点に関して、驚きはなかった。しかし、攻撃力はこの10カ月で格段に進歩した。これには非常に驚いた」
――日本代表が今後、解決すべき課題は?
「戦術の方向性は、このままでいいと思う。ただ、CFと左SBに絶対的な選手がいない。 CFのウエダ(上田綺世)は、得点した場面こそ見事だったが、その後、決定的なチャンスを2度も外した。ブリュージュ(ベルギー)からフェイエノールト(オランダ)へとステップアップしており、今後の成長に期待したい。モリヤス(森保一)監督は、昨季、セルティック(スコットランド)で大活躍したフルハシ(古橋亨梧)らと併用しながら、CFのレギュラーを探し続けるはずだ。
とはいえ、欧州でプレーするCFが何人もいるというのは、以前の日本では考えられなかったことだ。左SBについても、今後、監督は多くの選手を試す必要がありそうだ」
イトウの控えがクボ…贅沢な状況だ
――両ウイングについては?