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オリンピックPRESSBACK NUMBER
173cmの長身、長い手足の「モデル体型」で話題に…走高跳日本王者“フェアリージャンパー”高橋渚23歳とは何者か?《『さんまのラブメイト』で注目》
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/09/13 11:01
日本選手権2連覇中の女子走高跳・高橋渚選手。20年以上更新されていない日本記録にたどり着けるか
だからこそ、競技そのものが日の目を浴びることが少ない中で、7月の『27時間テレビ』での注目は青天の霹靂でもあった。
「普段は陸上を見ない人たちからもSNSとかで声をかけてもらえて、やっぱりさんまさんの影響力はすごいなと思いました(笑)。番組的には“スポーツ枠”的なものなんでしょうけど、たくさんある競技の中で自分を選んでもらえたのはシンプルに嬉しかったですね」
一方で、高橋は173cmの長身とその端正な顔立ちとも相まって、メディアでは記録以上にルックスを重視した取り上げ方をされることも多かった。そもそも走高跳が競技特性上、身長が高く手足が長い、いわゆる「モデル体型」の選手が有利な競技ということもあるが、今回も企画の主旨的にはシンプルに競技者としての話というよりは、どちらかと言えばビジュアル面での取り上げ方の強いものでもあった。
選手である以上、「競技結果で見てほしい」という主張を持つアスリートは多い。だが、そういった部分への葛藤があるのかを高橋に尋ねると、迷うことなく「応援してくれる入り口はなんでもいいと思います」と即答する。
「調子に乗らないようにしないとな……と自戒はしますけど(笑)。でも、私個人の考えで言えば、どんな入り口であれ注目してもらえることは重要だなと思います。やっぱり人ってどこで繋がるか分からない。バラエティ番組で話題になったことが理由で、誰かが見つけてくれるかもしれない。だからなるべくSNS等でも自分から発信するようにしようとは思っています」
もちろん注目が集まれば、それに比して不快な思いや、誹謗中傷のリスクが上がることは百も承知だ。それでも高橋がそういった考え方にたどり着いたのは、ある理由がある。
大学卒業時に感じた「注目される必要性」
もともと高橋は高校時代に本格的に走高跳をはじめたころから、「社会人まで競技を続けよう」と決めていたという。それは高校で師事していた醍醐コーチの将来を見据えた考え方に接していたことに加え、自分自身が一番、自らの伸び代を感じていたからだった。
ただ、大学を卒業して社会人になる際、競技を支援してくれる企業を探すのは簡単ではなかったという。