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金メダリストも太鼓判! 110mハードル・泉谷駿介は世界陸上で日本人初のメダルを獲れるのか?「自分の走りを研ぎ澄ませば大丈夫」
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byEPA=JIJI PRESS
posted2023/08/20 11:00
ゴールデンリーグのローザンヌ大会、110mハードルで実力者を抑え優勝した泉谷駿介(中央)。世界陸上でもメダルの期待がかかる
「自分史上最高のレースは(当時の)米国記録12秒89を出したレースではなく、金メダルをとったレースだ。タイムは13秒01(正しくは13秒00)だったかな。覚えてないし、タイムはどうでもいい。記憶に残るのは記録じゃない、勝ったことだから」
7月23日のロンドン大会では世界陸上で連覇している米国のホロウェイには僅差で敗れたが、なみいる強豪を抑えて堂々の2位に入った。
「ロンドンでは(泉谷は)自分のレースをして13秒0台で走れることを証明した。ここから世界陸上まで自分の走りを研ぎ澄ましていけば大丈夫だ」
オリバーは太鼓判を押す。
金メダリストからのアドバイス
世界陸上や五輪でメダル候補に名を連ねながらも、届かなかった選手が多数いる。メリットも世界陸上に5度出場しているが、メダル獲得は2015年北京大会のみに留まっている。
「プレッシャーにいかに対処できるかが鍵」と指摘し、「普段のレースならハードルに多少ぶつかっても冷静に対応できるのに、世界陸上や五輪ではぶつけたショックや焦りでリカバリーできない選手も多い」と話す。
勝つためには何が必要なのか。
「自分自身に集中し、周囲を気にしないことが重要だ。ダイヤモンドリーグなどのレースでは高い技術がないと勝てない。世界トップと戦った自信を持つこと。そして一番大事なのは世界陸上や五輪を『特別なレース』と思わないことだ。スタートに一緒に立つ選手のほとんどがダイヤモンドリーグで戦った顔なじみだ。シーズンのレースの一つと捉えるといいと思う」
メリット、オリバー共に泉谷や日本勢の活躍を楽しみにしている。
「色んな国の選手が決勝に並ぶと種目に活気が出るし、観る側も楽しいと思う。世界陸上での活躍を楽しみにしている」
世界陸上男子110mハードル予選は8月20日に行われる。泉谷、そして日本勢の戦いに期待したい。