オリンピックPRESSBACK NUMBER
金メダリストも太鼓判! 110mハードル・泉谷駿介は世界陸上で日本人初のメダルを獲れるのか?「自分の走りを研ぎ澄ませば大丈夫」
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byEPA=JIJI PRESS
posted2023/08/20 11:00
ゴールデンリーグのローザンヌ大会、110mハードルで実力者を抑え優勝した泉谷駿介(中央)。世界陸上でもメダルの期待がかかる
「コーチのレベルが上がったことも大きいだろう。才能ある選手が成長し、国内の競争が激しくなる。その競争に勝ち上がった選手たちへの期待が高くなり、それに応えようと精進する。日本のハードルは今、そういう状態なのではないだろうか」
今大会、日本は男子110mハードル、女子100mハードルにそれぞれ3人ずつエントリーしているが、国内の戦いも熾烈を極め、代表になることも容易ではない。選手たちは、出場はあくまで通過点で本番でどこまで駒を進められるか、タイムを伸ばせるかに焦点を置いているだろう。
世界の泉谷への評価
6月30日に行われたダイヤモンドリーグのローザンヌ大会で泉谷は13秒22で優勝している。自己ベスト13秒09を持つフランスのクワオーマテや13秒10のスイスのジョセフなど、強豪選手を抑えての勝利にも関わらず、米国やジャマイカの選手が出場していなかったため、SNSなどではその結果を揶揄する声も見られた。
オリバーはその声を一蹴する。
「そういうくだらないことを言う人がいるんだよ。『勝ったけど記録が良くない』とか『何年の世界陸上だったらこの記録では勝てない』とか。陸上は記録うんぬんの前に『勝敗』を決めるスポーツなのに、なぜか記録だけを持ち出してうんちくを語る人が多すぎる。スポーツは勝つことが大事なんだ。自分は過去に12秒台を出しても負けたことがある。好記録でも負けることはあるし、勝っても平凡な記録に終わることもある。つまりレースの相手や競技場のコンディションに関わらず、誰かは必ず勝つ。泉谷はローザンヌで勝った。それだけだ」
オリバーはこう続ける。