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〈いち早くMVP・沢村賞予想〉パがオリ山本由伸W受賞なら「イチロー+金田正一以来」…阪神独走セで村上頌樹が狙える「野茂英雄以来」の大快挙とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS(L,C)/Kazuaki Nishiyama(R)
posted2023/08/16 17:39
2023年も抜群の安定感を誇る山本由伸。3年連続MVPならイチロー、同じく沢村賞なら金田正一以来の快挙となる
2位広島は西川龍馬の49.57(12位)が最上位であり、これもMVP候補とするには難しいところか。
8月に入って絶好調の巨人の岡本和真が残り40試合で18本以上打って、本塁打を50本の大台に乗せれば、優勝しなくてもMVPに選出される可能性はあるだろう。
村上が狙える「野茂英雄以来」の大快挙とは
〈投手10傑〉※リーグ防御率は3.25。
床田寛樹(広)17登9勝3敗0S0H 114.1回 責26率2.05 PR15.27
村上頌樹(神)16登7勝5敗0S1H 107回 責24率2.02 PR14.62
大竹耕太郎(神)14登7勝1敗0S0H 90.2回 責19率1.89 PR13.73
東克樹(De)16登9勝2敗0S0H 111回 責27率2.19 PR13.07
森下暢仁(広)13登6勝3敗0S0H 90回 責20率2.00 PR12.49
今永昇太(De)15登7勝1敗0S0H 105.1回 責26率2.22 PR12.02
マルティネス(中)37登2勝1敗26S6H 36回 責1率0.25 PR12.00
岩崎優(神)45登3勝1敗24S11H 43回 責4率0.84 PR11.52
戸郷翔征(巨)17登10勝3敗0S0H 121.2回 責33率2.44 PR10.92
メンデス(巨)11登4勝3敗0S0H 65回 責13率1.80 PR10.46
投手タイトル争いでは、勝利数は戸郷の10勝、防御率は村上の2.02、奪三振は今永の121、セーブは田口麗斗(ヤ)の27、ホールドポイントは清水昇(ヤ)の33がトップ。
阪神は昨年2試合に登板しただけの村上、現役ドラフトでソフトバンクから移籍した大竹という新戦力が活躍、安定した投手陣を形成して首位を独走している。しかし投打ともにチームを引っ張るような傑出した選手はいない。
セ・リーグのMVP争いは阪神が優勝した場合、票が割れると考えられる。打者では阪神の近本、投手では村上が有力か。なお村上は新人王の最有力候補でもある。MVPになれば1980年日本ハム木田勇、1990年近鉄野茂英雄以来史上3人目、セでは初の新人王とのW受賞になる。
前述のとおり岡本が50本塁打の大台をクリアすれば、チーム成績に拘わらずMVPの可能性がある。
山本由伸が沢村賞を獲ったらカネやん以来!
〇沢村賞
セ・パ両リーグの先発投手から選出される沢村賞、その選考基準に準拠するならば、以下の通り。
・登板試合数:25試合以上=なし ※最多は髙橋光成、加藤貴之(日)の19
・完投試合数:10試合以上=なし ※最多は髙橋光成の4
・勝利数:15勝以上=現時点では山本由伸の11が最多
・勝率:6割以上=現時点では今永昇太の.875
・投球回数:200イニング以上=現時点では加藤貴之の133.2回が最多
・奪三振 - 150個以上=現時点では佐々木朗希の130
・QS(沢村賞独自の基準、7回自責点3以下) 最多は加藤貴之の13
以上となる。