今夏の広島大会は打率.250、1本塁打にとどまっていた。甘いコースにボールが来ず、力んで球を引っかけた。自主練習で自分の打撃を見直す。止まった球を打てる利点があるスタンドティー打撃で、冷静にスイングの軌道をチェックしてきた。センターから逆方向に打つ心構えは、気負わずに球をとらえるための工夫でもある。

丸刈りであれ、長髪であれ…

　3度目の甲子園は落ち着いてプレーできているという。夏は初体験だが「今までと変わりません」と頼もしい。今大会は花巻東・佐々木麟太郎内野手や九州国際大付の佐倉侠史朗内野手といった同じ左打ちスラッガーとの競演も注目されるが浮足立たない。

一際目をひく長身の真鍋（円陣中央）夏初Vを狙う　©︎Nanae Suzuki

「特に気にしてません。注目とか、気にしないようにやっています。甲子園で優勝することしか考えてません」

　真鍋は表情を引き締めて言う。

「慶応さんは打力が凄いイメージ。守備からリズムを作って最少失点でいきたい」

　慶応義塾はファーストストライクから強振できるチームで、激戦区の神奈川を勝ち上がってきた。夏の甲子園優勝が一度もない広陵にとって序盤戦のヤマ場になり、ファンにとっても注目カードになる。丸刈りであれ、長髪であれ、選手の全力プレーがすべてを語る。

盛り上がる伝統校・広陵の応援席　©︎Nanae Suzuki

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