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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「オオタニサン、ワタシノボールニ…」大谷翔平番記者が見た“日本語ボード少年”と連続月間MVPに思い出す「水原通訳の一言」とは
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byTodd Kirkland/Getty Images
posted2023/08/08 06:01
ブレーブス戦前の投球練習での大谷翔平
大リーグは米東部時間午後6時(日本時間2日午前7時)にトレード期限を迎えた。
最大の目玉だった通算250勝右腕のメッツのバーランダーを、昨年まで所属したアストロズが獲得した。大谷が所属するエンゼルスにとって、アストロズは同地区のライバル。アストロズを筆頭にア・リーグ上位球団は次々とトレード補強を敢行し、PS争いの激化は必至の状況となった。
大谷はナ・リーグのサイ・ヤング賞候補右腕ストライダーに、初回はチェンジアップで空振り三振。3回に再び空振り三振を喫したが、6回に遊撃内野安打で6試合連続安打とした。二盗も決めたが、チームは3連勝を逃した。
ナ本塁打王が称賛する「バットのゾーン通過時間」とは
《8月2日 ブレーブス戦:水原通訳に“真顔”で話しかけられた日》
7試合連続安打となる2安打で打率を.307に上げてリーグ3位に浮上した。初回に初対戦のチリーノスのスプリットを右前打。6回無死一塁でもシンカーを右前へ運んだ。打率を3厘上げ、ガーディアンズのJ・ネーラー、レッドソックス吉田正尚を抜いた。同断トツとなる39本塁打、同2位の81打点と合わせ、打撃3部門全てでトップ3入りを果たした。
4回にナ・リーグトップの37号を放った相手4番オルソンは、大谷について「この3連戦で5安打したが、バットがストライクゾーンを通過する時間が長い。それで捉えられる可能性が高まる」と感嘆の表情を浮かべた。
試合前には7月のア・リーグ野手部門の月間MVPにも選出された。2カ月連続受賞で、日本選手最多を更新する通算4度目。月間打率こそ.282だったが、3試合連続本塁打やダブルヘッダーの完封勝利後の試合で2本塁打するなどインパクトがあった。
今だから白状する。渡米直後の7月3~5日の敵地パドレス戦でのことだ。