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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「オオタニサン、ワタシノボールニ…」大谷翔平番記者が見た“日本語ボード少年”と連続月間MVPに思い出す「水原通訳の一言」とは
posted2023/08/08 06:01
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
Todd Kirkland/Getty Images
《7月31日 ブレーブス戦:15歳の少年のカタカナボード》
試合前練習。グラウンドで練習見学していた1人の少年に話しかけられた。球場近郊に住むペイトン・ブラントリーくん(15)。夏休み中に訪れた6月14日のエンゼルス-レンジャーズ戦で大谷の通算148号をキャッチし、そのボールを持参していた。
Googleの翻訳機能で調べ、一生懸命に描いた日本語
「オオタニサン、ワタシノヤキュウボールニサインヲクダサイ」
Googleの翻訳機能で日本語を調べ、一生懸命に書いた日本語のボードを持ってベンチ前で待っていた。よく広告、宣伝で目にする“全米で話題沸騰”、“全米が泣いた”などのキャッチフレーズは残念ながら誇張されたものが多いが、大谷の場合は紛れもなく事実。デトロイトでもトロントでもそうだった。人気は全米(カナダも含む)規模で広がっている。
9回に中堅フェンス際に大飛球を放ったがナイスキャッチされ、40号本塁打は幻となった。だが3試合連続の敬遠四球とマークされながら、5試合連続安打となる2安打をマーク。チームはトレード加入した新戦力の活躍もあり、両リーグ最高勝率のブレーブスに快勝した。直近15試合で11勝4敗。この時点でWC圏内に3ゲーム差とした。
警備員も背伸びしてピッチング練習を“見守り隊”
《8月1日 ブレーブス戦:球場スタッフも“生大谷”に熱視線》
敵地の左翼後方のブルペンに入り、捕手を座らせて25球を投じた。いつも通り、セットポジションからプレートのやや一塁側に立ち、スプリットの変化を入念に確認していた。
敵地アトランタのファンだけでなく、球場スタッフにとっても、年に一度の“生大谷”。一般観客への開場前とあって、スマートフォンを片手にブルペンに身を乗り出して熱視線を送っていた。警備員も背伸びして、大谷の背後の壁の隙間から投球を見守るなど注目度の高さをうかがわせた。