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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「オオタニサン、ワタシノボールニ…」大谷翔平番記者が見た“日本語ボード少年”と連続月間MVPに思い出す「水原通訳の一言」とは
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byTodd Kirkland/Getty Images
posted2023/08/08 06:01
ブレーブス戦前の投球練習での大谷翔平
大谷が約1年ぶりの3試合連続無安打に終わると、水原一平通訳から「一旦、日本に帰ってもらっていいですか?」と話しかけられた。割と真顔だったと記憶している。21年7月に渡米した際には月間MVPを受賞しているので、どちらかというと縁起は悪くないはずだったが、無事に受賞できてホッとした。
《8月3日 マリナーズ戦:米国取材ひとまず最終日に「お疲れしたっ」》
右手中指がつり4回無失点降板も、8回に今季両リーグ最速、自身2年ぶりの40号ソロ本塁打を放った。110試合目の40号は球団最速。今季14個目の敬遠で出塁した6回は、二盗も決めて一時逆転劇を演出。逆転負けとなったが、先発投手が本塁打と盗塁をマークするのは59年ぶりだった。
「疲労」を認める談話は6年間で4度しかない
意外だった。
ここ最近続くけいれんや、筋肉がつる症状の原因について尋ねると、大谷が「一番は疲労」と口にしたからだ。18年のメジャー移籍後から発言は全てメモアプリで保存しているが、シーズン中の「疲労」を認める談話は6年で4度しかない。初めて二刀流で完走した21年の総括会見で「そういうふうに感じる時期はあんまりなかった」と話すほど、普段から徹底した体調管理で「疲労」を乗り越えてきたからだ。
この日が今回の米国取材最終日。会見後にロッカーでスマートフォンを触っていた大谷にあいさつすると、目を見開き「お疲れしたっ」といつもの返事が返ってきた。以前のようにイジられることはなかったが、元気そうな表情に少しホッとして球場を後にした。
<つづく>