「これはクミ（ヌートバーの母の久美子さん）が撮ってくれた。10連勝した試合後の写真だ。このあと連勝を11まで伸ばし、プレーオフ2回戦に勝ち進んだ。でもその試合の第4クオーターにラーズが膝を負傷して交代し、負けてしまった。連勝は止まったが、シーズン11勝1敗は学校の最高成績だ」

高校恩師・シェブリンさんがヌートバーの頭にキスしている印象的な1枚　©︎Akiko Yamawaki

「学校でも注目の的だったのに、謙虚な性格」

　11連勝の前のシーズンは、フットボールでエルセグンド高校を史上初のカリフォルニア州北西部地区の決勝に導き、高校4年生の時には野球部をシーズン22勝10敗、そのうち6校からなるリーグで8勝2敗と首位に貢献したそうだ。

　もう1枚には、クォーターバックとしてパスを投げる瞬間のヌートバーが写っている。その写真は、ヌートバーが書いたシェブリンさんへの感謝の言葉で埋まっていた。

アメフトではQBとして活躍したヌートバー　 ©Kumiko Nootbaar

「彼はフットボールでも野球でも1番。学校でも注目の的だったのに、謙虚な性格は全く変わらなかった。野球の名門USC（南カリフォルニア大学）からオファーを得たあともそうだった。人一倍負けず嫌いだが、自信過剰になることは絶対になかった。ラーズの中に『自分』というのはないんだ。常に『僕ら』だった」

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