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《夏の甲子園番付2023》大阪桐蔭など名門校敗退、休部PLは“関脇陥落”、大関チャンス仙台育英…慶応など“新潮流リーグ勢”も注目! 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama/Kou Hiroo

posted2023/08/05 17:01

《夏の甲子園番付2023》大阪桐蔭など名門校敗退、休部PLは“関脇陥落”、大関チャンス仙台育英…慶応など“新潮流リーグ勢”も注目!<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama/Kou Hiroo

昨夏は仙台育英が初の“白河の関越え”を果たした。番付を詳細に見てみると…?

 タイブレーク制度は今年から延長10回からの導入となっている。そのため実力差があるチームでも戦い方によっては勝つ可能性があるとされるが、明徳義塾はまさに「タイブレークのアヤ」にはまった形だ。

今大会出場校で“番付アップ”の可能性がある高校は?

 西方幕内では広陵(広島)と智弁学園(奈良)が今大会に出場するが、勝ち星に開きがあり三役格以上を脅かすことはない。

 十両、幕下では東方十両筆頭の聖光学院(福島)は、あと1勝すれば新入幕。聖光学院は夏17回の出場を誇るが、勝利数は23と永く上位進出することができなかった。2022年は初めてベスト4まで進んだ。今季はどうだろうか?

 東十両では、3枚目の北海(北海道)、5枚目の東海大甲府(山梨)にも新入幕の可能性がある。幕下4枚目の慶応(神奈川)、6枚目の日大山形(山形)も勝ち進めば新十両が見えてくる。

 西方は、十両4枚目の古豪・徳島商(徳島)と9枚目の近江(滋賀)が出場。勝ち進めば新入幕の可能性がある。なお西方は十両、幕下でも今大会に出場する学校が少ない。今年は特に西日本で名門校、常連校が地方大会で敗退するケースが多かった。それだけ新興校が台頭したとも言える。

 三段目あたりになると、勝利数が近い学校が僅差でひしめいている。東方では今夏出場する浦和学院(埼玉)、大谷翔平の母校である花巻東(岩手)、文星芸大付(栃木)、西方では明豊(大分)が勝ち進めば幕下に進出する可能性がある。

伝統校・慶応など“リーグ戦”に臨んだチームが甲子園へ

 夏の甲子園大会は1915年の創設以来108年の歴史を誇る。

 この番付の中には、西幕下8枚目の小倉(福岡)のように1919年初出場で優勝経験もあるものの1978年を最後に甲子園に出場していない学校もある。学校の方針が変わるなどして、甲子園とは縁がなくなったのだ。

 そんな中で東幕下4枚目の慶応(神奈川)は、1916年の第2回大会に初出場の古豪ながら1962年夏を最後に40年以上も甲子園に縁がなかった。名門私学ゆえに他の強豪校のような人材補強ができなかったのだ。

 しかし上田誠前監督が就任し「エンジョイベースボール」を掲げて、文武両道の指導を行い、以後、春3回夏1回の出場を果たした。森林貴彦現監督は――当コラムでも紹介したが、選手の自主性を重視した指導を行い、東海大相模、横浜といった強豪校を破って夏出場を果たした。

【次ページ】 番付表の全体像を見てみると…(画像有)

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