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甲子園の風BACK NUMBER
「甲子園に行くってメリットあるんですか?」有望中学生の質問にハッとした話…好きなプロ野球選手は“とにかくカッコいい”マックス・クラーク
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2023/08/03 11:02
ポニーリーグ、6月のアジア大会「U16コルトの部」で優勝した日本代表選手たち
「甲子園行きたい」は今も多いが…
松本はアジア大会で、サンディエゴ・パドレスのスター選手、タティスJr.も愛用するワンハンドレッドのサングラスに、USA仕様のヘッドバンドを装着。頬まで広がる大きなアイブラックを塗ったそのビジュアルは、さながら「“リトル”マックス・クラーク」だった。アメリカに本部を置き、ゲレーロJr.やファン・ソトなどメジャーリーガーの50%を輩出しているポニーリーグ。メジャーリーガーを目指す育成理念に賛同して昨夏加盟した神田Rebaseポニーのカラーを、そのままアジア大会でも披露した。
大会中、チームメイトの蔵並虎之介とともに、打てば派手なガッツポーズを仲間に向け、点が入ればベンチはお祭り騒ぎ。井関紀雄監督は「野球はイケイケだけど、礼儀挨拶はしっかりしていてメリハリがある。相手のミスを喜ぶパフォーマンスはしていない。これが彼らが表現する『楽しく勝つ野球』なので、ここでは認めていました」と話す。松本、蔵並が「俺が、俺が」になりがちな日本代表選手を明るくまとめ、4カ国6チームが参加した大会は5戦全勝優勝という結果につながった。松本は「イケてる」自分の写真をInstagramに投稿。メンション先はもちろん、マックス・クラーク。いつかアメリカで会える日を夢見ている。
アジア大会に参加した日本代表選手のほとんどは、甲子園出場歴のある強豪校への進学を希望していた。「甲子園に行きたい」と当たり前のように口にする。だが松本だけは高校野球に憧れすぎていない、一人だけ違った空気があった。聞けば、将来への明確なビジョンがあり、それに向けて平日週4日のトレーニング、土日の野球練習(試合)を続けているという。ここから先は本人の考えを尊重してそのまま記載する。