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「俺は腹をくくったよ」総工費40億円を自前で調達! 岡田武史が語る今治里山スタジアム建設秘話「FC今治は単なるJクラブではない」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshio Ninomiya
posted2023/07/23 17:00
今治里山スタジアムでインタビューに応じたFC今治会長の岡田武史(66歳)。建設費40億円をいかにして自前で調達したのか
《先日の試合(2023年4月30日に行われた2023明治安田生命J3リーグ 第8節 vsY.S.C.C.横浜)に関して、我々を支援してくださっている方々、応援してくださってる方々に、心よりお詫びを申し上げます。
試合結果ももちろんですが、どういう理由であれ、2人も退場者を出し、全体として相手やレフリーをリスペクトする姿勢が足らなかったと思います。試合を見て不快に思われた事と思います。我々の企業理念に掲げる心の豊かさやフィロソフィーに共感してくださっている皆さまを裏切る試合だったと思います。
本当に申し訳ございませんでした。勝つことはとても大切な事ですが、我々はそれ以上に大切にしているものがあります。それを選手、スタッフ、社員含め改めて肝に銘じて前に進みます》(原文ママ)
ニッパツ三ツ沢競技場で行なわれた4月30日のY.S.C.C横浜戦で今治は2人の退場者を出し、2点のリードを守れずに2-4と逆転負けを喫した。
成績の低迷や不祥事などでクラブのトップが謝罪するのはよくあるとしても、「相手やレフリーをリスペクトする姿勢」が足りずに敗れたことを詫びるケースは聞いたことがない。岡田は企業理念を踏みにじるゲームだと断じ、己を含めて猛省を促したのだ。
FC今治は単なるJクラブではない
この声明を出した理由を尋ねた。
「遠くから来てくれるファン、サポーターもそうだし、横浜での試合だったから首都圏でスポンサーをやっていただいている方々も応援に来てくれた。ウチの企業理念はこうだって伝えているのに“岡田の言っていること全然違うじゃん”と思われたっておかしくない。レッドカードがどうこうじゃなく、全体を通してそういう(リスペクトが足らない)ゲームだった。企業理念に共鳴してくれている方々を我々は裏切ってしまったんだから」
現場は現場に任せている以上、この件に関してチームに対して何か言ったわけではない。ただその後の戦い方を見ていれば、自分のメッセージが伝わっているとは感じている。
企業理念を映し出すスタジアムが完成したからこそ、ピッチ内もピッチ外も企業理念により照らし合わせていくことができる。
「FC今治は単なるJクラブではないと俺は思っているから」
そして岡田は次の行動に出る。今度は学校の運営に乗り出すというのだ――。
《後編に続く》
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