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二松学舎大附、帝京、関東一…高校野球東東京大会で強豪校に相次ぐ波乱!「優勝候補撃破」の4番打者には、まさかの“水陸二刀流”選手?

posted2023/07/23 11:00

 
二松学舎大附、帝京、関東一…高校野球東東京大会で強豪校に相次ぐ波乱!「優勝候補撃破」の4番打者には、まさかの“水陸二刀流”選手?<Number Web> photograph by Yu Takagi

延長タイブレークの末、優勝候補の関東一を破った日大豊山の選手たち。左が4番を打つ“水陸二刀流”の光永翔音

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 報徳学園(兵庫)や東邦(愛知)など、高校野球地方大会で強豪校が敗れる波乱が各地で起きた7月21日。

 神宮球場で行われた東東京大会でも、第1試合で春季都大会優勝の帝京が岩倉に5対6で敗れると、第2試合では同大会準優勝の関東一が延長タイブレークの末、日大豊山に1対3で敗れた。昨夏の王者である二松学舎大附も3回戦ですでに姿を消しており、混迷に拍車がかかった格好だ。

 今夏はこうした「波乱」が例年以上に多い印象がある。ただ、その敗退のケースは様々で、無名の公立校に敗れることもあれば、過去に甲子園出場経験のある高校の復権の場合もある。

 春夏通算で甲子園出場14回の名門・関東一を破った日大豊山もその後者のケースだ。いまから23年前の2000年夏に甲子園初出場を果たしており、近年も度々、東東京大会では上位に進出していた。プロからも昨年のドラフトで卒業生の吉村貢司郎がヤクルトから1位指名を受けている「都内の強豪校」の1つだ。

優勝候補を破った日大豊山の4番打者の秘密は…?

 そんな日大豊山で今年のチームの4番打者に座る光永翔音(みつなが・しょうおん)は異例の挑戦を続ける“二刀流アスリート”だ。

 身長190cm、85kgのスラリと引き締まった体格は、それだけで好素材であることを感じさせるが、実は水泳界で将来を嘱望されるトップスイマーでもある。

 野球と水泳を並行して行う「二刀流」は、幼い頃から続けている。小学生時代に野球では千葉ロッテマリーンズジュニアに選出。水泳ではリレーで日本新記録を樹立し「スーパー小学生」としてテレビ番組で瀬戸大也や古賀淳也といったオリンピアンと対決したこともある。

 中学時代は野球では全国優勝3回を誇る名門・京葉ボーイズで3番を打ち、水泳では50mバタフライで「24秒41」という男子中学生日本新記録を樹立した。そして高校は甲子園出場実績がある野球部と、インターハイ総合優勝10回(※光永の入学前時点)という超名門と言っていい水泳部を兼ね備え、何よりもこの異例の挑戦を受け入れてくれた日大豊山へと進んだ。

【次ページ】 競泳は全国大会で三冠、野球も4番の強打者に

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光永翔音
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