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“日本人として生きる”Jリーグ屈指のGKに届いた批判「楽な道を選んだ」「本物の日本人じゃない」…朴一圭の切実な告白「傷つきましたし、寂しい」 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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photograph byMasashi Hara/Getty Images

posted2023/07/18 11:04

“日本人として生きる”Jリーグ屈指のGKに届いた批判「楽な道を選んだ」「本物の日本人じゃない」…朴一圭の切実な告白「傷つきましたし、寂しい」<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

サガン鳥栖に所属するGK・朴一圭(パク・イルギュ)33歳

「楽な道を選んだ」「本物の日本人じゃない」

 朴のように日本国籍を取得するという選択は、いまや在日コリアンにとって珍しいものではなくなった。「オールドカマーの在日」といえる特別永住者の数は、朴や筆者が朝鮮学校の生徒だった2001年の約50万人から、日本国籍取得や少子高齢化によって2022年には30万人を下回るまでに減少した。2004年に約200人いた東京朝鮮中高級学校(高級部)の新入生の数も、2023年は100人を切っている。

 この流れが止まることは、おそらくないだろう。そう遠くない未来に、既存の「在日」という概念は決定的に変容している可能性が高い。かつての在日コミュニティに少なからず存在していた家父長制的なイデオロギーや、日本への国籍変更を「同化」とみなしタブー視する傾向も、なかば自然の摂理として衰退しつつある。

 とはいえ、それが完全にゼロになったわけではない。日本国籍を取得したことを、家族や友人、知人の大半はポジティブに受け止めてくれた、と朴は語った。その一方で、排外主義に基づいた「帰化人」へのヘイトだけでなく、「同化」を懸念する一部の在日コミュニティからの批判の声も届いたという。

「両親をはじめ、多くの人があたたかく見守ってくれましたけど、ひどい言葉も、まあ、そうですね……。やっぱり在日の人に批判されるのは、すごく傷つきましたし、寂しいし、精神的に病みそうになりました。ある人から『楽な道を選んだ』と言われたんですけど、国籍がどうあっても、現実はそんなに甘くないじゃないですか。日本の方から『お前は本物の日本人じゃない』と言われることもありますし、苦しみがなくなるわけではない。もちろん自分で決断したことなので、後悔はないです。賛否両論があるのはわかっていましたから」

【次ページ】 よりよく生きるための“選択の自由”

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