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“日本人として生きる”Jリーグ屈指のGKに届いた批判「楽な道を選んだ」「本物の日本人じゃない」…朴一圭の切実な告白「傷つきましたし、寂しい」

posted2023/07/18 11:04

 
“日本人として生きる”Jリーグ屈指のGKに届いた批判「楽な道を選んだ」「本物の日本人じゃない」…朴一圭の切実な告白「傷つきましたし、寂しい」<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

サガン鳥栖に所属するGK・朴一圭(パク・イルギュ)33歳

text by

曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

PROFILE

photograph by

Masashi Hara/Getty Images

 在日コリアン3世として生まれ育った朴一圭(パク・イルギュ/サガン鳥栖)は、2022年に日本国籍を取得した。下部リーグでの研鑽を経てJリーグ屈指のGKとなった朴は、どのような思いで「日本人として生きる」ことを選んだのか。日本代表入りを目指す33歳の情熱と葛藤に迫った。(全2回の2回目/前編へ)

 ◆◆◆

 朴一圭が2022年に日本国籍を取得した理由のひとつとして、試合への出場が最大5人までに定められたJリーグの「外国籍選手枠」のレギュレーションがあげられる。1年でも長くJ1でプレーしたいと望む33歳の朴にとって、5人という制限は大きな枷になる可能性があった。

「もちろん国籍がどうであっても、能力があればファーストチョイスになれる。そこについては、これまでのキャリアである程度は証明できたんじゃないかなと思っています。すばらしい選手たちと競い合いながら外国籍選手枠で試合に出ていたことは誇らしかったですし、反骨心をパワーにしていた部分もありました。ただ、自信がなくなったわけではないんですが、やはりどのクラブもより若い選手や、より優れた外国人選手を使いたいという現実がある。今後『プレーはいいんだけど“枠”を使うのが……』と判断される可能性があるのは、自分にとってすごく厳しいなと感じたのが率直なところです」

朴一圭がこだわる「J1」と「日本代表」

 朴は「まだまだJ1からいなくなりたくないんですよ、絶対に」と言葉に力を込めた。

「J1には僕より年長で、バリバリ活躍しているGKがたくさんいますよね。たとえば西川周作さんや東口順昭さん、菅野孝憲さんは、あの年齢でさらに成長しようとしている。“お手本”がいすぎるんですよ(笑)。彼らとピッチで戦える幸せはJ1でしか味わえない。それだけは手放したくないんです」

 日本国籍の取得は、新たな成長の契機にもなりうる。数ある可能性のなかでも、もっとも明確かつ大きな目標は、やはり日本代表に招集されることだろう。

【次ページ】 守りに入ったら、存在意義がなくなる

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