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「野球をやめようと思っていた」カリブ海で育った青年が、決死の覚悟で受験した巨人トライアウト…冷静な左腕が“古巣対決”で力んだ理由
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/06/29 11:00
今季からロッテに加入したC.C.メルセデス(29歳)。序盤こそ白星から遠かったが、現在3勝と先発ローテーションの一角を担っている
原点に戻ったメルセデスは、次の登板となった6月7日のスワローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)では7回無失点の好投で今季2勝目を挙げると、同16日のベイスターズ戦(横浜スタジアム)でも7回を2失点に抑えるピッチングで3勝目を挙げた。いずれも力みないフォームからスライダー、カーブを中心にテンポよく低めにボールを集める見事な投球。それこそジャイアンツ時代に培った投球スタイルだった。
「これからもチームの勝利に貢献したい。自分が投げている試合で10試合以上は先発として勝ちに繋げたいね。そして優勝したい」
悲願のリーグ優勝。そしてその先にもう一度、日本一を決する舞台での古巣との対戦を夢見ている。
熱心なクリスチャンとして知られるメルセデス。朝と夜、聖書を読み、心を落ち着かせる。自身のグラブには『GOD IS GOOD』と刺しゅうが入れられている。いつも神に感謝をすることを忘れない。神が導いてくれた日本という活躍の舞台。今は千葉で、マリーンズの優勝のために全力でボールを投げ続ける。その先に最高の感動が待っていることを信じている。
クリストファー・クリソストモ・メルセデス
(Cristopher Crisostomo Mercedes)
1994年3月8日生まれ、ドミニカ共和国出身。2012年からMLBタンパベイ・レイズのマイナーでプレー。16年は広島のドミニカアカデミーに所属し、同年オフに巨人の海外トライアウトを受験。17年に育成選手として入団し、翌年から支配下登録。21年にはドミニカ共和国代表として東京五輪に出場し、同国初のメダル獲得に貢献した。23年に千葉ロッテマリーンズ入団。188cm、82kg。左投げ、両打ち。憧れの選手はランディ・ジョンソン
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