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「ミトーマ! 抜ける秘訣はスシ、ラーメンか♪」「知ってるよ。こないだ…」三笘薫が老若男女に好かれるブライトンは“ステキなビーチの街”だった
posted2023/07/01 11:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Robin Jones/Getty Images
三笘薫も「住みやすい」と言う英国南部の海辺の街、ブライトンにはたくさんの自慢がある。自由な空気、オープンな人々、小さな店が並ぶカラフルなエリア、緑豊かな丘の上から眺める絶景、そして史上最高のシーズンを過ごしたフットボールクラブなど色々とあるが、やはり一番はビーチだろう。昨年、『ロンリー・プラネット』はオンライン上で、そこをイングランドのベストビーチの第2位に選んだ。
ブライトンビーチが愛される理由
「ブライトンビーチが砂質や静穏について受賞することはないが、遊歩桟橋や娯楽に溢れたシーサイド、廃れた後に活性化した浜辺のホテル、刺激的なナイトライフはこのあたりのイメージそのものだ。国際的な学生やクラブ好き、LGBTIQ+コミュニティーの存在も、さらなる興趣をもたらしている」
そんな風に世界的なガイドブックが紹介する通り、ここでは誰もがそれぞれに好きなことをして、自分の時間を過ごしている。洒落たレストランでは旅行者らしき夫婦が白ワインのグラスを傾け、パブのオープンマイクのステージにはラッパーが集い、スケボーに乗った少年たちはローラーのノイズを大きく響かせる。観光客の多いブライトン側から西のホーヴ側へ向かうと、地元の人々が芝生の上でボールを蹴ったり、複数の卓球台で笑いながら球を突ついたり、開かれた屋外のダンスホールで手を取り合って踊ったりしている。
英国の公園では芝生の上で円座になる人が多いけれど、ビーチでは横に並んで座っている。みんな、海が見たいのだ。
旅に出ると自然とオープンになっている自分に気づく。そのうえこんなに心地よい街にいれば、もはや開けっ広げだ。二度にわたる計3週間超の滞在中、街でも公園でもスタジアムでも、僕はほとんど誰かれ構わずに話しかけていたような気がする。
ミトマのドリブルの秘訣は寿司やラーメンか!
ブライトンに到着した翌日、ノッティンガム・フォレスト対ブライトン&ホーヴ・アルビオン戦を観に、ロンドン・ロード沿いのパブへ行った。地元のクラフトビールを手にブライトンのアウェーゲームを観ていると、隣に青と白のボーダーのTシャツを着た女の子がいた。