球体とリズムBACK NUMBER
「ミトーマ! 抜ける秘訣はスシ、ラーメンか♪」「知ってるよ。こないだ…」三笘薫が老若男女に好かれるブライトンは“ステキなビーチの街”だった
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byRobin Jones/Getty Images
posted2023/07/01 11:00
三笘薫が愛されるブライトン。その街を散策してみると……?
「以前はそこで楽しい毎日を送っていたんだけどね。今じゃ、みんな離れ離れさ」
悲しみを完全には癒せないけれど、ブライトンがある
ますます何も言えなくなった僕を横目に、ティムは鋭い動きでシュート練習を再開した。フットボールは世界のさまざまな場所で共通言語になる。そして時には、孤独を忘れさせてくれる。すべての悲しみを完全に癒すことはできないけれども。
「君はアタッカーなんだね?」とその動きから推察して訊いた。
「ああ、ウイングだよ。(ミハイロ・)ムドリクが好きだね」とティム。
「今のブライトンの監督がシャフタール・ドネツク時代に特別に目をかけていた選手だ」
「そう。でもチェルシーへの移籍は失敗だったかもね。まあでもそれは彼の人生だし、これが僕の人生だ」
21時を回ってもまだ薄明るい空に、数羽のシーガルが舞っている。海の方へ向かっていくその後ろ姿は、いつまでもそこにありそうな気がした。
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