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「ショウヘイが私をからかって(笑)」就任から1年、エンゼルス指揮官が明かす“大谷翔平の本当の人間性”「彼の近くにいるだけで幸運だよ」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2023/06/11 11:02
大谷翔平とエンゼルスのネビン監督。ネビンは6月で指揮官就任から1年を迎えた
明かした信頼「翔平は我々全員と誠実に接する」
エンゼルスにはペリー・ミナシアンGMのもと、ジョー・マドン監督時代から変わらぬ大谷の起用方針がある。ネビン監督も就任以来、一貫してそれを守っている。
「彼が毎日プレーするのが好きなことはよくわかっている。誰もがわかっているように彼がやってることは前例のないことだ。その中で彼は結果を残し、彼自身が自分のスケジュールを決める権利を得たんだ。彼は正直な人間だ。翔平は我々全員と誠実に接し、自分の健康状態をちゃんと話してくれる。これからも常にそうだと思っている」
平たく表現すれば、球団は“休みは自分で決めていい”という特権を既に大谷に与えてしまった。その一方で、チームとして大谷を休ませたいと思うときもある。この狭間にいるのが監督という仕事を担うネビンだ。
監督さえも“からかって笑わせる”大谷の人間性
話を冒頭の5月30日に戻そう。この日、大谷は5試合ぶりの13号本塁打を放った。そして、翌日には14、15号と2打席連続本塁打を放ち勝利を牽引した。試合後、ネビン監督は安堵の表情を浮かべ報道陣に言った。
「これでもまだきみたちは翔平に休みを与えたいかい?」
その後、大谷に休養日が与えられたことは6月8日現在ない。この是非論はさておき、「my dream job」のネビン監督のストレスはこんなところにある。管理職とはそういうものとも言えるが、大谷翔平とフィル・ネビン監督の関係は良好に映る。それは指揮官のこんな言葉からもわかる。
「我々には試合前に行う儀式がある。ある日僕は翔平とのやりとりで順番を間違えてね。そうしたら彼は戻ってきてやり直しを僕にさせたんだ。これはルーティンの一部だと。でもそれは私をからかうためだった。私がやり直そうとすると彼はそっぽを向いて知らんぷりだったよ(笑)」
我々が望むものは大谷の健康であり、そこから生まれるエンゼルスの躍進だ。フィル・ネビン監督のマネージメントに期待したい。
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