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大谷翔平の“兜かぶせ”も話題に…エンゼルスの“お祝い担当”だった選手が語る思い「チームがひとつになる」 兜のまさかの値段に他チームも驚いた
posted2023/06/01 11:05
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
JIJI PRESS
エンゼルスのホームラン・セレブレーションで『兜担当』を務めていたブレット・フィリップス外野手が戦力外通告を受けたのは5月20日のことだった。出場機会に恵まれず、チームが46試合を消化した19日までに与えられた打席数はわずか16。打率.077。恵まれない境遇に耐え、チームメートがホームランを放てば、必ず笑顔で出迎えた。その姿には頭が下がった。
フィリップス退団後、『兜担当』に決まった選手はいない。大谷翔平が11、12号本塁打を放った際は本拠地であったため、ボール・ボーイのスティーブ・パルド氏(23)が務めた。敵地では誰が大谷に兜を被せるのか。新たな興味のひとつと言える。
大リーグ公式サイトでも「セレブレーション」を特集
本塁打を放った際、選手同士で祝いあう「ホームラン・セレブレーション」は数年前からメジャーリーグのトレンドとなった。今季は現状で17球団が取り入れ、さまざまなアイディアを披露している。大リーグ公式サイト、CBSスポーツ、FOXスポーツ、USAトゥデーなどの米メディアはすでに特集を組み、格付けも行った。評価が高いのはエンゼルス、オリオールズ、マリナーズ、ツインズ、レッドソックスなど。選手たちが笑顔を見せ、楽しむ姿は見るものの目も楽しませる。
若手選手の台頭で躍進の目立つボルチモア・オリオールズのセレブレーションは『ホーマー・ホース』。ホースにじょうごを取り付け水などを流し込み、本塁打を打った選手が飲むというシンプルなセレブレーションに米国で唯一の全国紙USAトゥデーは1位の評価を与えた。発案者は今季アスレチックスから移籍した先発左腕のコール・アービン。彼がその発想を教えてくれた。
発案者が語る「選手はみんな子供の頃のように楽しみたい」
「子供の頃、友達と遊んでいるときに路上で一緒にホースから水を飲んだことってあるよね。それが楽しくて仕方なかった。ホーマー・ホースのスタートはそんなところさ。つまり簡単なことなんだ。選手はみんな子供の頃のように楽しみたいんだ。ホースから水を飲んだり、友達と遊んだり、そんな瞬間を楽しむことでみんなが子供の頃に戻ったような気持ちになる。毎日球場に来て友達と楽しむ。タフな戦いに身を置く中でそういう気持ちを持つことは大切だと思うんだ」