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「カマダは過小評価されている」“古巣”の監督、ファン、長谷部誠が語る鎌田大地“ココがスゴイ”「いなくなって初めて“カマダロス”の大きさが…」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byJIJI PRESS
posted2023/06/07 11:02
フランクフルト退団が発表された鎌田大地。これまで鎌田を見続けてきた“古巣”の関係者が語る、鎌田が評価され続けてきた理由とは?
何杯目のビールかわからないけど、心地よく酔って赤くなった彼らがそうやって僕に「知ってるか?」と鎌田のすごさを何度も話してくれる。知ってる、僕も彼のすごさを。
チーム2位のゴール&アシスト数
リーグ最終節フライブルク戦は鎌田にとってホーム最終戦でもあった。試合後のゴール裏には鎌田に感謝の思いを伝えるファンからの横断幕がいくつも見られた。ファンからの愛のこもったメッセージ。そんなファンからの反応を、鎌田は感謝いっぱいに受け止めていた。
鎌田「毎試合このスタジアムは特別な雰囲気だと思いますし、こういう試合だけでなく、フランクフルトのファンは練習試合でもすごい熱いものがある。すごい特別なチームだなと思う」
そんなファンの声援にも支えられ、鎌田は今シーズン、9ゴール9アシストをマーク(以下、数字は『Kicker』紙より)。ドイツカップでは4点をあげ、さらにはCLでも3得点決めている。ゴール+アシストのスコアポイントでは今季リーグ11位の数字、チームではフランス代表ランダル・コロムアニの31ポイントに次ぐ2位の記録だ。パフォーマンス内容だけではなく、結果もしっかり残した。本人もこれには満足げに振り返っていた。
鎌田「数字面に関してはこれ以上ないくらいのものを残せていると思う。前半戦すごく良くて、一時期止まった時期もありましたけど、良かった時期も常に『これが続けられるわけではない』と自分自身に言ってました。いい時もあれば悪い時もある。またうまく最後の方で盛り返すことができて、ボランチ6割、トップ下4割くらいで今季はプレーしたうえで、この数字の残し方は特別だと思います。なかなかできることではないと思う。今年一年は自分にとっては間違いなく過去最高のシーズンだと思う。こういうのを続けられるようにやっていきたいなと思います」
僕は自分の理想としている選手像を持っている
過去最高のシーズン――。ふと鎌田が以前口にしていたことを思い出した。「僕は自分の理想としている選手像を持っている」と。過去の取材記録を調べてみた。見つかった。あれは3シーズン前のELグループリーグで対戦したホームでのリエージュ(ベルギー)戦のあとのミックスゾーンだった。
鎌田「鳥栖の時もそうだった。自分が上に行ったときにやりたいポジションが自分の中にある。そのためにはこういう(フランクフルトのようなインテンシティの高い)チームでやっていくことが大事だと思う」
あれから3シーズンたったわけだが、鎌田は自分がイメージする自分の理想像に近づけているのだろうか?