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兄マルケスが恋人との“ラブラブ写真”を公開! レース一辺倒だった最速ライダーに漂う「もしかして」の気配 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2023/06/02 11:00

兄マルケスが恋人との“ラブラブ写真”を公開! レース一辺倒だった最速ライダーに漂う「もしかして」の気配<Number Web> photograph by Satoshi Endo

今季もまだ「最速ライダー」たる結果を残せていないマルケスだが、怪我については「完治した」とコメントしている

 この出来事に象徴されるように、マルケス兄弟はレースウィーク以外をモトクロス、ダートトラックに自転車、そしてフィジカルトレーニングに明け暮れていた。二人してレースにどっぷり浸かっていたのだ。

 それだけにマルケスがモロッコで恋人と休暇を楽しむ姿からは、大きな心境の変化があったことが容易に想像できた。

 これまで多くの日本人ライダーを見てきたが、家族同伴でグランプリを転戦し、好成績を残したライダーは何人もいる。スーパーバイク世界選手権では、ヤマハとドゥカティで多くの記録を残した芳賀紀行、スズキで活躍した加賀山就臣。そしてグランプリでは2001年に250ccクラスの世界チャンピオンになった加藤大治郎がいる。家族と一緒にモーターホームに乗って転戦する。ヨーロッパに拠点となる家があっても、連戦のときはサーキットからサーキットへと家族とともに移動を楽しむ。まさにグランプリサーカスと呼ばれる生活だった。

 いまでもパドックには巨大なモーターホームが並ぶが、自分たちで運転して移動するのは一般的ではなく、ライダーと家族は車や飛行機で移動することが多い。アプリリアのアレイシ・エスパルガロとマーベリック・ビニャーレスの二人は、家族を連れて転戦するライダーとして知られるし、ほかにも恋人を常に帯同する選手は多い。

私生活の変化が示すサイン

 そうした中で、マルケスはマドリードの大邸宅に弟のアレックスと一緒に住み、レースに向かう際も弟と一緒にプライベートジェットで移動という生活を送っている。マルケス兄弟の巨大なモーターホームの移動は兄弟の父親フリアが担当し、子どもたちのレースを陰ながらサポートしている。

 幼い兄弟を学校やトレーニングに連れて行くのは公務員だったフリアの仕事だったが、二人はいつしか車の免許を取り、自分で移動できるようになる。フリアは「自分の仕事がなくなっていくというのは寂しいものだね」と語っていたが、いまはモーターホームの移動を楽しんでいるようだ。

 5月22日に、弟のアレックスが「RT y FAV para que no me hagan las maletas y me echen de casa porfavor(僕の荷物をまとめて家から追い出さないように、リツイートといいねをお願いします)」とツイートした。これを読む限り、マルケスと恋人の交際は順調のようである。

 それが、引退に向けてのソフトランディングだったとしても、僕はいいと思う。なぜなら、この数年のマルケスの怪我との闘いは壮絶だったし、最速の称号を得た今、「そろそろリラックスしたい」と考えるのも当然だと思うからだ。恋人を公表したマルケスがどんな戦いを見せるのか、これまで以上に注目したいと思っている。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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