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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「学校生活もろくにできないやつが、サッカーうまくなるわけない」岡崎慎司らを輩出、“滝川第二の名伯楽”黒田和生のブレない「人間性=サッカー」論
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byAFLO
posted2023/06/04 11:04
世界で活躍する指導者にも相通じる滝川第二元監督・黒田和生の教育哲学を、本人と教え子の証言で読み解く。
日本にもそんな優れた指導者が数多くいるなか、筆者の頭にすぐ思い浮かんだ人物が今回取り上げる黒田和生(74)だ。滝川第二高校サッカー部監督として、全国有数の強豪校へと育て上げたことで有名な御仁だ。就任から3年目に全国高校サッカー選手権大会に初出場を果たすと、1998年の第77回大会ではベスト4に進出し、2006年高円宮杯全日本ユース選手権大会で優勝を果たしている。これまで元日本代表FW岡崎慎司をはじめ、加地亮、波戸康広、金崎夢生、森島康仁、吉田孝行、寺川能人、林丈統など数多くのプロ選手を輩出してきた。
人間性イコールサッカー
高校時代について岡崎は次のように振り返っていた。
岡崎「滝川第二って高校時代にそこまで活躍しなくても、のちにプロで活躍する選手が多い気がするんですよ。僕なんかもあとで伸びた方だと思うし、加地さんとか、波戸さんとか、代表に入っている選手も多いです。それは黒田先生はよく『人間性イコールサッカー』っていうのをおっしゃっていたんですけど、まさにその力があったのではないかと思うんです。それを軸に全て繋がってたなって大人になってからすごく感じます。
本当に何度も口酸っぱく黒田先生は『人間性イコールサッカー。人間的に学校生活もろくにできないやつがサッカーうまくなるわけない』というのを強調していました。そしてその指針が絶対にブレない。学校生活で授業受けてるときに先生が窓からいきなり覗いてたりとかするんですよ(笑)。学校っぽいって言えばそうなんですけど、でも先生はそうしたところまで目が行き届いていたなって思います」