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「井上尚弥と対戦? もちろん可能だ」ラスベガス衝撃KOで絶賛の嵐…“新モンスター”中谷潤人(25歳)は何がスゴい?「欠点が見当たらない」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAFLO
posted2023/05/28 17:01
聖地ラスベガスで2階級制覇を達成した中谷潤人(25歳)。衝撃KOに称賛の声が届いている
5月20日の興行はメインイベントでデビン・ヘイニー(アメリカ)対ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)というライト級4団体統一戦が行われ、激しい攻防で1万4436人の大観衆をおおいに沸かせた。その試合が世界最高レベルの技術戦になったことを考慮した上でも、この日の“The Fighter of the Night(最も輝きを放ったボクサー)”は中谷だった。それほどの強さをアピールしたあとで、周囲の注目は今後の対戦選びに移っていくに違いない。
「エストラーダだったりとか、井岡選手とフランコとの勝者だったりとか。チャンピオンがあと3人いるので、(統一戦は)誰とでもウエルカムです(笑)」
会心の勝利の後、ロッカールームの前で中谷は屈託のない笑顔で他団体王者との統一戦希望を明言していた。現実的には次戦はWBOの指名戦が濃厚だが、実際にその後はビッグファイト路線を期待したくなる。
メキシコの英雄とのマッチアップ、そして…
本人の希望通り、WBC&リングマガジン王者のエストラーダ、6月24日に行われるフランコと井岡の再戦の勝者との統一戦がまとまれば、どの国での開催だろうと注目イベントになる。
中でもやはりエストラーダとの激突は魅力的なカードである。冒頭でも記したように、あるいはもう中谷有利と見る関係者も多いのかもしれないが、ボクシング王国・メキシコの出身で、多くの強豪と対戦してきたエストラーダはもちろん難敵。実現すればボクシングファン垂涎のマッチアップと言えよう。
そして――本場ラスベガスでの痛快KO劇で中谷が大きく知名度を上げた後で、将来的にさらに大きなドリームマッチを夢見る声も出てきている。