中谷は骨格的にまだまだ上の階級への昇級が予想され、カリフォルニア州に拠点を置くルディ・エルナンデス・トレーナーは「潤人がスーパーフライ級にそれほど長くとどまるとは思わない」と述べていた。遠からぬうちにバンタム級、スーパーバンタム級への昇級が有力。だとすれば、まもなくスーパーバンタム級での初戦を予定する怪物ボクサーといずれ同じ階級で戦う時期が来ても不思議はない。そう、怪物とは前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）である。

「潤人は最終的にはフェザー級までいけるだろう。それだけの身長と、機動力、ムーブメント、ボクシングIQを持っているからね。練習熱心な選手だから、さらに向上していくはずだ。いずれ『井上vs中谷』も実現する？ もちろん可能だ。ただ、私の意見では井上こそが世界最高のボクサーであり、パウンド・フォー・パウンドでもNo.1だ。潤人が対戦するなら5、6年後、井上が年齢を重ねた頃がいいかもしれない（笑）」

聖地ラスベガスで見事なボクシングを披露した中谷潤人　©︎JIJI PRESS

　“モンスター”と“ネクスト・モンスター”の対戦の可能性について尋ねた際、中谷を10代の頃から指導してきたエルナンデス・トレーナーが残したそんな言葉は本気だったのか、単なるジョークなのか。

　その答えはどうあれ、まだあまりにも気が早すぎる話なのは誰もが理解している。それでも、戦線を駆け上がる中谷には、そんな夢物語を語れるだけのポテンシャルが間違いなくある。そういったレベルのボクサーが日本からまたも登場し、楽しみな未来予想を描けることを、この世代に生きる私たちは心から喜ぶべきなのだろう。

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