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豪快タックルでSANADAをKO、いきなりIWGP挑戦…辻陽太(29歳)とは何者なのか?「オレが新日本プロレスを面白くしてやるよ」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/05/25 17:02
5月3日、福岡国際センター。IWGP世界ヘビー級王者SANADAをスピアー・タックルでKOした辻陽太は胸を2度叩くと、不敵な笑みを浮かべた
いきなりのIWGP王座挑戦は異例中の異例
段階を踏まずに、いきなりのIWGP王座挑戦は異例中の異例だ。そこには、それを容認した興行会社としての新日本プロレスの期待度が現れている。過去には2012年2月の「レインメーカー・ショック」オカダ・カズチカの例があるが、この時はオカダが棚橋を破って戴冠している。
今回のSANADAへのいきなりのIWGP王座挑戦という事実によって、出世争いにおいて約1年先輩の海野翔太や成田蓮らを一気に飛び越したともとれる。
「余がイギリスで創ったユニット『THE LEGION』 そのメンバーだった辻陽太… いや。今はそんなことより、いきなりIWGP世界ヘビーか?」
O-カーンがこんなツイートをしていたのが、少し気になる。
現存するユニットの選択肢としては、ユナイテッド・エンパイアというのもなくはないだろうが、ロス・インゴに落ち着くだろう。
福岡でSANADAにスピアー・タックルを食らわせた後、メキシコに舞い戻った辻は、Yotaとしてルチャの世界でスケジュールをこなしている。王者グラン・ゲレーロを破り、翌週のCMLL世界ヘビー級王座挑戦に名乗りを上げた。「もしかしたら、日墨で連続の世界王座取りか」と期待されたが、5月14日にアレナメヒコで行われた試合での王座奪取はならなかった。
Yotaは直近では5月20日のアレナコリセオ大会のセミファイナルに登場してドラゴン・ロホJr.、イホ・デル・ビジャノ3号とタッグを組んで、エウフォリア、ニエブラ・ロハ、メフィスト組とルードvsルードの6人タッグマッチを戦っている。
ともあれ、辻は近日中に日本に戻り、SANADAとの大阪城決戦に備えるはずだ。
この大一番で辻がどれだけのインパクトを残せるのかは、間違いなく注目に値する。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。