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ウルフアロン29歳はデビュー戦でEVILに勝てるのか? 大物のプロレス初戦「北尾光司も小川直也も勝った」カメラマンの大胆予想「勝敗を聞かれたら…」
posted2025/12/29 17:04
東京五輪柔道100キロ級金メダリストのウルフアロンは1月4日、新日本プロレス東京ドーム大会でデビューする。試合は当日、テレビ朝日系の地上波で放送される
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原悦生Essei Hara
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Essei Hara
分厚い胸板の男がいる。東京五輪柔道金メダリスト、ウルフアロン(29歳)のプロレス・デビュー戦が近づいている。ウルフは2026年1月4日、新日本プロレスの東京ドーム大会で極悪レスラーのEVILと対戦する。チケットはすでに完売している。
ウルフアロンはどんな姿でリングに上がるのか?
東京・野毛の新日本プロレス道場で12月17日に公開練習があった。この日、ウルフが手を合わせたのは、その日に引退試合をする棚橋弘至だった。棚橋は「臨機応変に体が動く、本能のままいけばいいよ」とアドバイスを送った。
柔道とプロレスの違いをウルフは語った。できるだけモーションを小さくして攻める柔道と、観客にアピールするために大きなモーションから技を繰り出すプロレス。その差異を、頭では理解している。
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EVILの得意技は“EVIL”と名付けられた変形の大外刈りだが、ここにスキができると棚橋は攻略法を挙げた。
「EVILは大外の体勢で“イー”って叫んでこう入る」
ウルフが組みながら棚橋の話を聞いている。
「手の内は見せたくない」と言いながらも「脇を上げられるのが肝で、そこをどうしようかなというところ」とウルフは続けた。
「EVILはもらった感出して、“ド派手に行くぜ”ってモーションが大きいから、その瞬間にスキができる」
「もらってねえよって。“イー”って言った瞬間に、関節も行ける」
棚橋が「反則対策も考えないと」と付け加えた。「EVILは髪もつかんでくるから」と棚橋が言ったとき、「それは大丈夫です」とウルフは即座に返した。
「ああ、そういうことか」と筆者は思った。掴まれる髪はない、ということだ。現在、ウルフは長い髪をしている。だが、試合までに今の長い髪は短く刈るということだな、と思った。逆にEVILの髪を引っ張るという方が面白い。ウルフはしないだろうが。
髪を短くしたウルフがどんなリングコスチュームでリングに上がるかは興味深い。以前からのコスチュームに関する記者とのやり取りからすると、柔道着は着てこないだろう。意外とシンプルにいくのかもしれない。



