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シングルアクセル動画も話題…伊藤みどり(53歳)はなぜ“アダルト競技会”で輝き続けるのか? 浅田真央も「憧れの人」 コーチが明かした原点
posted2023/05/25 11:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
レジェンドは、やはりレジェンドだった。
2023年5月20日、伊藤みどりがフィギュアスケートの国際大会に出場した。
「国際アダルトフィギュアスケ―ト競技会」で、国際スケート連盟が公認する大会だ。28歳以上がエントリーすることができて、元選手が参加する「マスターズ・エリート」「マスターズ」、また元選手でなくてもレベルに応じて参加できる「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」がある。
今回、53歳で出場したのは「マスターズ・エリ―ト女子III+IVアーティスティック」。49歳から68歳まで、ジャンプなどの要素の点数をつけずに、スケーティングや表現面で競う部門だ。
浅田真央の「憧れの人」
1989年世界選手権で日本初の金メダル、1992年アルベールビル五輪で銀メダル獲得などで一世を風靡した伊藤の功績は、何よりも女子で初めてトリプルアクセルを成功させたことで語り継がれている。「伊藤と言えばトリプルアクセル」と代名詞的に語られ、さらに3回転の連続ジャンプを女子で初めて成功させてもいる。女子のジャンプの高難度化が進んだ先駆けでもあり、変革者と言ってよいスケーターである。浅田真央が「憧れの人」と言うように、あるいは中野友加里が憧れ、同じようにトリプルアクセルを習得し活躍したように、多くのスケーターに影響を及ぼした。