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一瞬でモロニーが大の字に…“衝撃KOで2階級制覇”中谷潤人がラスベガスで手にしたもの「多くの選手がナカタニとの対戦を避けてきた」
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byEPA/JIJI PRESS
posted2023/05/23 17:36
衝撃的なKO勝ちで2階級制覇を成し遂げた中谷潤人。25戦25勝(19KO)の“ネクスト・モンスター”が、ラスベガスでその実力を示した
井岡一翔、田中恒成との日本人対決の可能性も?
中谷は今後のキャリアを左右する大きな勝利を手にしたと言えるだろう。25歳の俊英はその実力から井上尚弥に続く次世代のスター“ネクスト・モンスター”と期待されている。実力は問題ない。あとはその存在をいかに広く知らしめていくか、認知されるかだ。そういう意味で衝撃のKOは大きな意味があったのである。
「統一戦をやりたいという気持ちがすごく強い。チャンピオンならだれでも、という感じです」
中谷は将来の展望を問われるとこう語った。今回は王座決定戦で戴冠したので、次戦は指名試合になるのが順当なところ。WBOは3位に元3階級制覇王者の田中恒成(畑中)がランクされており、次は指名挑戦者になる可能性があるが、田中陣営は名古屋で行われた5月21日の試合後、「4団体のチャンスのあるところで」と慎重に発言している。
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スーパーフライ級はWBC王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)が中心的存在で、WBA王者のジョシュア・フランコ(米)は6月24日に前WBO王者の井岡一翔(志成)と再戦する。これにIBF王者のフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)、昨年12月にエストラーダとの第3戦に敗れた元パウンド・フォー・パウンド1位のローマン・ゴンサレスあたりが現時点での主要なキャストだ。
中谷がインパクトのある戴冠劇を見せたことで、こうしたライバルたちの中谷を見る目も変わってくることだろう。スーパーフライ級の勢力図にも影響を及ぼす“ネクスト・モンスター”の見事な勝利だった。
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