バウアー「WBCに出てたのは誰だ？」

　また、登板前には日本の打者に対する分析もかなり行っているようだ。捕手の伊藤光は、1戦目の広島戦を終えたあと、こんな話をしていた。

「（バウアーは）キーになるバッターはすごく分析してました。今日だったら左バッター。特に西川龍馬選手と秋山翔吾選手の2人を自分なりに研究してきたみたいですね。なので、これを投げたいっていう気持ちが強かった」

　また、球団関係者の一人は「巨人戦の直前、『WBCに出てたのは誰だ』と聞いていましたね。相手に対する興味はあるようです」と話していたから、やはり挑みがいのある研究対象を前にすると理系の血が騒ぐのだろう。

大学時代は機械工学を専攻していた「理系の人」 ©Yuki Suenaga

球場で“居残り研究”も…

　ただ、分析の成果は直近2試合、良い結果につながらなかった。3度目の登板となった広島戦直後の囲み取材では「不運だった」と何度も繰り返していたが、決して運だけで片づけようとはしていない。

　自身が打たれた映像を何度も何度も繰り返し見ているバウアーの姿を、複数の関係者、選手が目にしている。伊藤光が「表に出ていない部分の取り組みを見ていると、なんとかしてあげたいと思うような選手」と話していたように、周囲に伝わるだけの勝負への情熱は持ち合わせている。捉えられた原因を探る努力を怠っていないし、それとともに各打者への理解も進んでいるに違いない。次回の一軍での登板でどんな解答を出してくるのか、楽しみなところだ。

　本稿を書くにあたって過去のバウアー関連情報を確認するなかで、次のような記事に行き当たった。

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