「オリンピックを目標に、というのではなく、1個1個の大会に向けてやっているので、その先にオリンピックが、メダルがあったらいいなという気持ちです。メンタルが最強の人はオリンピックのメダルを目標にいけるかもしれないけれど、私はそういうのはできないので」

　何よりも大切にしている思いがある。

「大会に向けて頑張るのはもちろんだし結果は頭にあるけれど、それをいちばんに持ってくると自分のパフォーマンスが発揮できないと思っています。
　私はそのときに輝けるダンスをした人がいちばんすごいと思います。子供たちにレッスンで教えているときもそう考えていますけど、自己表現がいちばん大切だと思っています」

「ブレイキンで変わった」社交性、自己表現

　ブレイキンを始めて20年近くになる。福島はブレイキンを通しての自身の変化をどう感じているのか。

「ダンスを始めての変化、めちゃくちゃありました。もともとはシャイというか、人前に立つのが得意でなかったりしたんですけど、社交性だったり、自分を表現するというところがすごいアクティブになりました。全部、ブレイキンで変わったなと感じています」

　自分自身も変わることができた、かけがえのない存在と出会った喜びがそこにあった。

　一歩ずつ歩んだ先にどのような世界が広がるのか。

　福島あゆみは自分を表現する武器を携え、舞台に上がり続ける。

＜「きっかけ」編とあわせてお読みください＞

#1から読む

「最初の対戦相手は小学生の女の子でした」ブレイキン世界女王・福島あゆみ39歳が明かす“21歳からの競技人生”「文句を言われて練習ができない日も」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。