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オリンピックへの道BACK NUMBER
ブレイキン世界女王に聞いた、五輪種目となって変わったことは?「全部が変わりました」「でも、“やりたいからやろう”とは、なれなかった」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2023/05/13 11:02
2021年世界選手権を優勝し、2023年2月の全日本選手権も制した福島あゆみ。日本、世界で頂点を争う彼女に「競技継続」についての話を聞いた
「1日ずっとダンスをするのは体も無理だし、性格的にもダンスだけよりもいろいろな他のことをやって、そのときはそのことに集中する、ダンスのときはダンスに集中する、という方が向いていると思ったので、こういうバランスでやってきました。5年、10年、そういう感じでした」
そんなとき、思いがけないことが起こる。ブレイキンの五輪種目採用である。正式に決定したのは2020年12月だった。
強化指定に入るときはすごい悩みました
「びっくりしました。ユースオリンピックでブレイキンが行われたのは知っていました。でもまさかそんなね、自分らのやっているものがオリンピックの種目になるなんて思ってもいなかったです」
最初に感じたのは、「すごい、よいことだなと思いました」。
ただ、自分のこととなると、単純にそうとばかりではいられなかった。
「コロナの間に日本の(強化指定選手を決める)予選が始まりました。チームメイトがみんな出ていたので、『一緒に出よう』という感じで出ました。でも実際に強化指定に入るときはすごい悩みました。年齢のこともあるし、怪我が続いていたときでもあったし、4年先を考えてできるのかな、というのが自分の気持ちでした。『やりたい、だからやろう』という感覚にはなれなかったですね」
やりたいからやれるっていう体ではない
例えば、2021年にはヘルニアで首を痛め、約4カ月、踊れない時期があった。ブレイキンならではの動きも身体に負担がのしかかる。