オリンピックへの道BACK NUMBER

「最初の対戦相手は小学生の女の子でした」ブレイキン世界女王・福島あゆみ39歳が明かす“21歳からの競技人生”「文句を言われて練習ができない日も」

posted2023/05/13 11:01

 
「最初の対戦相手は小学生の女の子でした」ブレイキン世界女王・福島あゆみ39歳が明かす“21歳からの競技人生”「文句を言われて練習ができない日も」<Number Web> photograph by AFLO

2021年世界選手権で優勝し、日本代表の強化指定選手にも選ばれた福島あゆみ。本人に競技人生について話を聞くと…

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph by

AFLO

 来年のパリ五輪で新たに実施種目として採用されるブレイキン。五輪の競技となったことで、今までその世界を知らなかった人々にも認知が広がり始めている。

 日本には男女ともに国際大会で活躍する選手が複数いるが、その中でも異色とも言える経歴を持つダンサーがいる。「AYUMI」こと福島あゆみだ。

 2021年の世界選手権で優勝、昨年は3位と、世界のトップを争う1人として活躍を続ける福島は現在、39歳。今でこそ10代をはじめ若い世代の活躍が目立つが、福島は21歳から競技を始め、現在の地位まで上り詰めた。ブレイキンを始めた地元・京都で今日も練習を続けるレジェンドに話を聞いた。(全2回の第1回/次回は#2へ)

「スポーツとしての大会に出るダンサーの中では、年齢はいちばん上です」

 福島あゆみはこともなげにそう話す。

 年齢がいちばん上なのは国内に限った話ではない。国際大会も含めて、最年長者でありながら、世界選手権優勝をはじめ数々の好成績を残し続けている。

 福島の特徴はオリジナリティあふれる技をいくつも生み出し続けていることにある。そこにうかがえるのはブレイキンへの飽くなきモチベーションだ。

 ブレイキンに打ち込み続け、今なお進化を志す原動力はどこにあるのか。

身体能力は低いです

 京都に生まれ育った福島は3歳の頃から水泳を習い、外遊びも好きな子どもだった。

「でもスポーツが得意なわけではなかったし、身体能力は低いです」

 と笑顔で語る。

 高校を卒業した後、お金を貯めてカナダに留学する。父の影響で洋楽や洋画に親しんでいたことから英語圏にいつか行ってみたいと憧れ、それを現実とした。

 だが、留学生活は順風満帆ではなかった。

【次ページ】 「全然充実していない」留学生活

1 2 3 4 NEXT
福島あゆみ
パリ五輪

他競技の前後の記事

ページトップ