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三笘薫25歳が試合後1時間もファンに“神対応”した日…三笘が現地記者を笑わせた直後、明かした本音とは?「僕もどこまで対応すればいいのか…」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2023/05/07 17:03
5月4日のマンU戦。後半アディショナルタイムの劇的PKで勝利後、カイセドと抱き合って喜んだ三笘薫(25歳)
例えば三笘が左サイドのペナルティエリア付近でボールを持つと、ワンビサカは自身の背後を取られないよう、三笘と十分に距離を取ってマークした。そして立ち位置は「ゴール寄り」、つまり「中寄り」にポジションを取った。カットインから右足でのシュートを一番警戒しているように見えた。
三笘側から見ると、縦のスペースはかなり空いている。縦に抜けようと三笘が加速すると、ワンビサカは自慢のスピードを生かしてブロック。またワンビサカの位置取りから考えると、三笘の左足のシュートにさほど強さがないと踏んでいるようだった。
いずれにせよ、三笘はこの独特のポジション取りに苦戦した。ワンビサカとの駆け引きについて、次のように見解を述べた。
「ワンビサカは自信と余裕があるように見えた。自分が“行ける”と思ったタイミングで仕掛けても、後から彼の足が伸びてくる。また、前への守備が強いので、ボールを後ろから受けようとしても、インターセプトがうまい。(三笘をマークして)下がりながら、自分の得意なところまで持っていき、スライディングでカットすることもできる。
その一方で、自分がボールを離さなければ前進することはできた。そういうところを考えながらやってました。(自分の課題は、得点につながる)最後のところにいかに結びつけるか。そこは次やった時に、また楽しみたいと思います。
(記者:ほかのDFと比べると、ワンビサカは中寄りにポジションを保っている印象があったが)彼は相当自信があるんだと思う。(自分を縦に)運ばせても、最後のところで止めればいいと考えているじゃないですかね」
三笘とワンビサカのマッチアップは、筆者がノートに記しただけでも10回。なかなか攻略できない難敵について、囲み取材では「プレミアリーグで対決したディフェンダーで一番と言えるか?」との質問も飛んだ。
三笘は「何をもって一番とするのか分からない。我慢して前に出てくる守備をする選手もいれば、彼のように後ろに下がり、最後に止めればいいと考える選手もいる。まあ難しい質問ですね。どの相手も手強いので、順位をつけることはできないです」と答えた。
守備の仕方がそれぞれ違うから順位をつけるのは難しいとのことだったが、ひとつだけ間違いないのは、地元紙マンチェスター・イブニング・ニュースによる「見応えのある決闘だった」との評価。2人の激しいバトルは、また来シーズンも繰り広げられることだろう。
「1時間ほどファンサービスをしたみたいですね?」
日本がゴールデンウィークに入り、アメックス・スタジアムでも日本のサポーターや観光客の姿が目立つようになった。実際、前節のウォルバーハンプトン戦後にはスタジアムの外で選手を待つサポーターが長蛇の列をなし、三笘がファンサービスを1時間程度行なったことが話題になった。三笘によれば、素直に嬉しいという。