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WBCで戦線離脱した広島・栗林良吏が登録抹消に…その裏には大会中に起きた”ある事件”が…浮かび上がる侍ジャパンのトレーナー問題
 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2023/05/04 17:05

WBCで戦線離脱した広島・栗林良吏が登録抹消に…その裏には大会中に起きた”ある事件”が…浮かび上がる侍ジャパンのトレーナー問題<Number Web> photograph by KYODO

5月1日に登録を抹消された広島の守護神・栗林良吏。WBC期間中に戦線離脱を余儀なくされたが、その裏で起きた”ある事件”の影響はあるのか…

 この問題がクローズアップされる最大の原因は、大会中に広島・栗林良吏投手が戦線離脱を余儀なくされたある〝事件〟だった。

 栗林はクローザー候補として代表入りし、2月17日から始まった宮崎の事前キャンプから侍ジャパンの一員として行動してきた。キャンプでも順調に調整を進め、2月26日のソフトバンク戦、3月3日の中日戦、6日の阪神戦と強化試合も3試合に登板、3回3分の1を投げて被安打2、7奪三振で無失点と好調な仕上がりを見せていた。

 しかし3月9日の1次ラウンド開幕後はマウンドに上がることなく、4戦目の豪州戦後に「腰の張り」を理由にチーム離脱が決まった。

トレーナーの施術中に「腰の張り」が…

 実はこの「腰の張り」の原因が、トレーナーによる施術だったというのだ。
 
 施術を行ったのは2003年のアテネ五輪アジア予選から代表チームに参加し、WBCでは第1回大会から選手のケアを担当するヘッドトレーナーだった。

 元々は第1回大会で多数の選手を送り出した当時のロッテ、ボビー・バレンタイン監督が、全米アスレティックトレーナーズ協会の公認資格(ATC)を持つトレーナーの帯同を要求。そこでATCの資格を持つこのトレーナーに白羽の矢が立った。しかし当時も現在も、プロ野球のチームとの関係はなく、日常的にNPBの選手を診ることもない。それでも同じ大学出身で代表チームを担当するNPB職員との関係もあり、その後も日本代表のトップチームには常にヘッドトレーナーとして呼ばれてきたという。

 今回のWBCでは日本で試合が行われた準々決勝までは、12球団からトレーナーが派遣されて、宿舎などで担当チームの選手のメンテナンスを行ってきている。ただ、試合会場に入れるのは、このヘッドトレーナーを含めて4人だけ。試合前のメンテナンスなどはこの4人に任されることになる。

 もちろん帯同している12球団のトレーナーとの情報交換は密に行われ、これまでは施術で特に大きな問題が出たこともなかった。しかしその一方でこのヘッドトレーナーの施術は「マッサージはさする感じで弱いが、ストレッチになると急に圧を強くかけるようになる」という選手間の評判もあり、一部の球団では参加した選手に「(ストレッチを受ける際には)気をつけるように」と事前に注意喚起していたという球団関係者の証言も聞いた。

 そして栗林が「腰の張り」を訴えたのは、まさにその圧が強くなるストレッチの最中だったという。

【次ページ】 トレーナー問題は次回WBCの最重要課題の1つ

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