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三笘薫25歳の“先発落ち”は温存だった「あの日、絶望的に暗かったロッカールーム」ブライトンの難しい現実「選手年俸61億円はリーグ19位」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFLO
posted2023/05/04 17:09
4月29日のウルブス戦、約5カ月半ぶりに国内リーグの先発メンバーから外れた三笘薫
実際に先発メンバー11選手の移籍金を足し、試合ごとの平均値を算出したランキングでも、ブライトンはプレミアリーグで2番目に低い「19位」に入っている。1位のマンチェスター・C(6億500万ポンド=約1028億円)、2位のマンチェスター・U(4億8000万ポンド=約816億円)に比べると、ブライトン(1億1200万ポンド=約190億円)は約5分の1でイレブンを構成している。
ファーストチームの選手に支払っている年俸額もリーグ最低レベルで、こちらも下から2番目に低い「19位」。1位のチェルシー(約2億1209万ポンド=約361億円)、2位のマンチェスター・U(約2億1187万ポンド=約360億円)に比べると、ブライトン(約3568万ポンド=約61億円)は彼らの約6分の1でまかなっている(※1ポンド=約170円で計算)。
少し乱暴な言い方をすれば、ブライトンのスカッドは毎週2試合をこなせるようにはデザインされていないのだ。しかも、FWエバン・ファーガソン、MFアダム・ララーナ、DFタリク・ランプティ、MFジェレミー・サルミエントと、怪我人が続出している状況でもある。「我々は今、非常に厳しい時期にいて、耐えている状況だ」というデゼルビ監督の言葉は、彼らの現状を言い表している。
残り7試合…欧州カップ出場権を手にできるか?
プレミアリーグはここから最終局面に入る。ブライトンの目標は、CLとELを含めた来季の欧州カップ戦出場。出場権をかけて争うライバルは、選手層の厚いマンチェスター・Uやリバプール、トッテナムといった強豪クラブである。今季のブライトンの見せている攻撃サッカーはたしかに素晴らしいが、過密日程をこなしながら勝利を重ねていくというハードルは決して低くない。
4位につけるマンチェスター・U(5月4日)との大一番に向け、三笘は次のように話した。
「もう一回コンディションを作っていきたい。マンチェスター・UにはFA杯で負けているので、そこで勝ちたい。まだリーグ戦も(来季UEFA出場圏内の)可能性があるので」
ブライトンの山場はそのマンチェスター・U戦と、アーセナル戦(5月14日)、ニューカッスル戦(5月18日)、マンチェスター・C戦(5月24日)と見られている。ウォルバーハンプトン戦のように、今後も要所要所でローテーション制を取り入れながら戦っていくだろう。
ブライトンのリーグ戦は残り7試合。総力戦となるここから、果たしてブライトンと三笘は来季の欧州カップ出場権を手にすることができるか。
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