「チームとして、いつも通りのプレーができていない印象はありました。僕自身もミスが多かったですし、 うーん……言い訳にはしたくないですけど、本当にもったいないというか、これを落とすのは今後に向けてもキツイです。

（記者：後半13分の決定機について）　シュートが軸足に当たってしまった。普通に打ちましたけど、あれはミスです。（記者：あそこで決めていれば、試合の流れも変わった）　サッカーは、そういうことなんで。決め切らないとこういう風になってしまうし、その責任もあります。決めていたら（勝負は）終わっていた話。もうそこですね。

　決められるチャンスがある中で決められてないので、そこは課題です。 攻撃陣としてはあそこは決め切らないと、守備陣にも迷惑をかけてしまいます。そういう展開になってしまったという意味でも、（敗戦は自分も）関わってると思います。またすぐ試合なので、切り替えていきたいです」

　三笘の言う通り、決定機でネットを揺らしていれば、ブライトンが勝利を掴んでいた公算は大きい。悔しさはその表情からも伝わってきたが、サッカー選手には“次の試合”がある。次の試合は、自身の悔しさを晴らすチャンスでもあるのだ。強い思いを胸に、今回のウォルバーハンプトン戦を迎えたのは想像に難くない。

　だがウォルバーハンプトン戦で、三笘はベンチスタートを告げられた。監督の考えに納得はしていたものの、当然やりきれなさは残っていたように思う。エースの自覚があるからこそ、ウォルバーハンプトン戦後の「他の選手は出ている」、「代えのきかない選手になっていかないと」との言葉が出てきたのだろう。

ウルブス戦、ウンダブのゴールを祝福する三笘。2人はベルギー、サン＝ジロワーズ時代からのチームメイトでもある　©Getty Images

ブライトンの現実「年俸総額はリーグ19位」

　チームをもう少し広いビジョンで見つめていたのが、ブライトンを率いるデゼルビ監督だ。ノッティンガム・フォレスト戦後の会見で次のように話していた。

「我々は敗戦に値するプレーをしてしまった。最初の30分間はとても良いプレーができていたし、もっとゴールを奪えていたかもしれない。だがその後、選手が“エネルギー”を失ってしまった。我々は3日ごとに試合をすることに慣れてない。次のウォルバーハンプトン戦で、新たなエネルギーを注入する必要がある」

　試合日程を確認すると、たしかにブライトンは4月から極めて厳しいスケジュールの中で戦っている。4月は7試合で、5月も7試合――。平均して4日に1試合のペースで試合をこなしていることになる。FA杯を準決勝まで勝ち進んだことで、シーズン終盤の4月、5月にそのしわ寄せが直撃しているのだ。

　しかも、ブライトンは少数精鋭の小規模のスカッドしか有していない。

　クラブの基本方針は「世界中のスカウティング・ネットワークを駆使し、安価で選手を集めて自前で育てる。そして大きく成長させた後、ビッグクラブに高値で売却する」こと。ファーストチームに20歳以下の若手選手が多く在籍しているのも特徴で、他のプレミアリーグクラブと比べても選手層は厚くない。

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