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格闘技PRESSBACK NUMBER
なぜブアカーオは40歳でRIZINのリングに? 三浦孝太との師弟関係、かつてのライバルへの思いも「魔裟斗さんに健在をアピールしたい」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2023/05/04 17:04
『RIZIN.42』の安保瑠輝也戦を前に、単独インタビューに応じたブアカーオ・バンチャメーク。不惑を迎えてなおリングに立ち続ける理由とは
もしRIZINの榊原信行CEOから「ミックスマッチをやってくれないか?」と頼まれたら?
「どんなルールでも、試合時間は何ラウンドでも、(原則として)オファーを受けたらなんでもやりますよ」
かつてのライバル・魔裟斗への思い
かつてブアカーオは、SNSにMMA転向を示唆する投稿をしたことがあった。そう考えるとミックスマッチ参戦も十分あるように思われる。ただ、今回の会見でMMAへの興味を問われると、ブアカーオは「もちろんRIZINはMMA主体の大会であることは知っている。自分も注目して、その試合を観てきた。自分でもMMAの練習をしたこともある。しかしながら自分の最高のパフォーマンスを出せるのはキックボクシングだと思っている。今後もその舞台で闘っていきたい」と消極的な姿勢を示した。
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ならば、もしRIZINへの参戦が確実視されているマニー・パッキャオと闘ってくれと言われたら?
質問を投げた瞬間、ブアカーオの顔色は明らかに変わったが、頭の回転は早い。すぐに淀みなく話し始めた。
「その場合は、どういうルールや試合時間でやるかを確認してからですね」
実現したら、タイやフィリピンではどんな反響があると想像する?
「知っての通り、パッキャオは世界的に有名なボクサー。ただ、フィリピンでも私の名前を知っている人はいると思う。今までだったらちょっとありえないマッチメイクだと捉えられていましたけど、もし実現したら、面白い試合になるでしょうね」
ちなみにこれまで日本で行った試合で、最も印象に残っているファイトは?
「それはもう、2004年に魔裟斗さんに勝って初めてMAXの世界チャンピオンになったときです。あのトーナメント前まで、私を知っている日本人はほとんどいなかったと思うので、日本中に衝撃を与えたと自負しています。魔裟斗さんを決勝で破って優勝したことで、ブアカーオという名前を多くの人に知ってもらうことができた」
その後も魔裟斗との親交は続いている。
「以前、魔裟斗さんが私のチェンマイのジムに遊びに来てくれたことがあって、一緒に練習しました。いまここに彼が入ってきたとしても、言葉は通じ合わないけど、かつて拳を交えた仲なのでわかりあえる。今回は魔裟斗さんにも『おっ、ブアカーオまだ頑張ってるじゃん』というところをアピールしたい」
タイでは強い格闘家を象と重ね合わせることが多い。象は国王を守るために、先陣を切って闘う勇気の象徴と見なされているからだ。
ブアカーオは時空を超越した象なのか。5月6日、有明アリーナでその答えが出る。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。