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格闘技PRESSBACK NUMBER
「このムキムキな僧侶、もしかしてブアカーオ?」40歳でRIZIN参戦…K-1の伝説ブアカーオが語る肉体美の理由「自分の身体を愛している」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2023/05/04 17:03
『RIZIN.42』で安保瑠輝也と対戦する40歳のブアカーオ・バンチャメーク。筋骨隆々の肉体を維持する秘訣や、僧侶としての生活について語った
「これまで僕は71kg、72kg、73kgの契約体重で闘ったこともあるけど、これからも一番馴染みのある70kgで闘えるなら、この体重でいこうと思っています」
体重だけではない。加齢とともにうっすらと贅肉がついたり、体型が変わってしまう選手もいるが、ブアカーオは以前と同じように細マッチョなボディを維持している。失礼な言い方になるが、タイの選手は引退すると体型が変わってしまう選手が多い。10代の頃からの過度な減量の反動か、引退後は無節制な日々を送る者も少なくない。
ブアカーオの体型はなぜ変わらないのか?
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「自分は自分の身体を愛している。この体型を維持していこうという信念がずっとある。そこがモチベーションだったりしますね」
自身よりもフレームの大きな選手も苦にせず
実をいうと、MAX時代の70kg級と現在の70kg級では、大きな違いがある。前者は60kg台のスーパーライト級やウェルター級から“背伸び”をして階級アップを図ったタイプが多かった。当時はMAXを頂点とする70kg級に最大光量のスポットライトが当たっていたのだから、それも当然だろう。地上波(TBS)で放送されていたことも手伝い、MAXで闘うだけで露出度が違っていたのだ。
一方、現在は上の階級から落としてくるタイプが多い。以前の70kg級と比べて、同階級の選手たちの身体のフレームが大きく見えるのはそのせいだ。
そもそも60kg台で闘ってきたブアカーオにとって、上の階級から落としてきた選手と闘うことには大きなディスアドバンテージがある。しかしながら最近になっても、ブアカーオは勝ち続けている。昨年7月にはカンボジアでベラルーシの選手に勝利し、2019年10月には欧州キック界で活躍するクリス・ンギンビ(コンゴ)を一蹴している。
その間、3年近くも試合のブランクがあったのはコロナ禍と無関係ではない。ブアカーオは「コロナ禍は本当に大変だった」とため息まじりに振り返る。
「タイでも、まわりに亡くなった方がたくさんいたので怖かった(※多くの日本人選手の世話をしていたラジャダムナンスタジアムのプロモーターのアンモー氏も亡くなっている)。ただ、あの時期は僕らだけではなく、みんな困っていた。ですから、僕らも無駄遣いしないように声を掛け合って乗り切りました」